Nikon Z fc

Nikon Z fcのいちばんの特徴は、Zでもなくfでもなく「c」だと感じた。

Nikon Z fc, Nikkor Z DX 16-50VR

朝の散歩に少し連れ出した程度なんで、写真のほうはまだまだ数は撮れていないけど、使用感みたいなものは少し感じるものがあったんで、きょうはそのあたりだけ触れておきたいと思う。

このZ fc、タイトルにも書いた通り、ひと言で表すとするなら「カジュアル」ということになると思う。それはZシリーズらしさよりも、往年のFマウントフィルムらしさよりも(実際のfはfusionの意味だけど)、もっと強烈に「カジュアル=c」のほうに振っていると感じる、ということ。

最初にこのZ fcというネーミングを聞いた時に、Zfでもよさそうなのに敢えて長くなっても「c」をわざわざ付けてくるんだ?と感じだけど、いざ使ってみて、むしろ「c」こそこのカメラの狙いの主役であることを確認したように思う。それくらい、このカメラの撮影フィールはライトでカジュアルだ。

Nikon Z fc, Nikkor Z DX 16-50VR

誤解を恐れずに言うと、いわゆるカメラ慣れした人には「軽すぎる」かもしれない。それは重量の軽さのこともあるけど、もっとなんというか上質なカメラに求めるような重厚さや精密さ、密度のある質感というのはZ fcで撮影している時は良くも悪くも感じない。だから、そういういかにもずっしりとした操作感のカメラをイメージすると、ちょっと肩透かしにあうかもしれない。

でも、これはZ fcが「何かが足りない」という意味では無い。むしろ、Z fcはそういう重厚感をどっちつかずで求めたのではなくて、ある意味、確信犯的に割り切ってライトでカジュアルな方向に振ってきた。そうやってAPS-Cをチョイスし、あのFM2のように、プロ機の軸とは別の写真を撮る楽しみの方向へと舵を切ってきたのである。

そう考えると、撮っていてもとても気分が楽になるというか、妙に上級機と比較することなく、こうやって写真をライトにカジュアルに撮る時間をもっとゆるりと楽しもうじゃないか、と思えてくる。

シャッターフィールも想像していたよりは、軽い感じ。もっとフィルムカメラっぽい濃いフィールを思い描いていたけど、そこも想像よりはずっとライトだった。これにはキットレンズだとシャッター方式が「オート」か「電子先幕シャッター」しか選べないようで、オートで撮ってたから途中で「メカシャッター」に切り替わっていたかもしれないけど、官能的な音や元気のいいシャッターフィールを好む僕的には、少し物足りない感じがあったかな。でも、これも主観だし、その良し悪しは好みで表裏一体だと思う。つまり、ライトさやカジュアルさを求めるなら、Z fcなのである。

Nikon Z fc, Nikkor Z DX 16-50VR

あと、クリエイティブ・ピクチャーコントロール(FUJIFILMでいうところのフィルムシミュレーション)は、Zシリーズになって実に豊富な数の描写が選べるようになっているけど、僕はあまり加工した系の描写が好きではないので、風景かスタンダードかモノクロという範囲で撮っていた。ここは僕がまだまだ研究の余地が必要なところだけど、JPEG撮影における描写の豊かさという点でいえば、富士フイルムのフィルムシミュレーションのほうがやはり一歩抜きに出てるかなと思った。

何かと比較したほうが分かりやすいんで、仮に同じような価格帯のFUJIFILM X-E4と比べると、いわゆる全体の質感という意味ではシャッターフィールの小気味良さや手触り、機械としての密度みたいなものは、X-E4のほうが上質だと思う。フィルムシミュレーションの描写も含めて、「写真を撮る上質さ」みたいなものを求める人はX-E4向きかもしれないね。

でも、それはあくまで僕の主観だし、まだ数時間しかZ fcを触っていない感想なんで、あくまで参考程度の話だし、実際そこに大きな差があるとも思えない。なんといってもZ fcには、そういう細かなスペック的差異を根底からひっくり返してしまうようなヘリテージデザインの魅力があるわけです。見るからにフィルムカメラのような、あのFM2を彷彿とさせる唯一無二の世界観。それを、この価格帯の比較的誰もが手に入れやすいポジションで打ち出してきた。ここが、Nikonの凄みであり、真骨頂なわけです。

そんな風に考えると、Z fcはまずはあのデザインに惚れ込むことの幸福感、それでいて変に写真を撮る行為に気負うことなく、カジュアルにカメラのある毎日を楽しみたい人向けかな。一方で、カメラのデザインにこだわりつつも、フィルムライクに写真を撮ることそのものを楽しみたい人にはFUJIFILM X-E4かもしれないね。比べることが目的じゃないけど、そんな風に位置付けるとZ fcの立ち位置も分かりやすいと思う。

Nikon Z fc, G.Zuiko Auto-S 50/1.4
Nikon Z fc, G.Zuiko Auto-S 50/1.4

そうそう、以前Z6で使ってたアダプターがあったんで、オールドレンズも装着してみた。フィルム時代のG.Zuiko 50/1.4。一眼レフのレンズはどうしてもアダプターも大きくなるから、本当は短く収まるレンジファインダーのレンズがいいと思うけど、やはりオールドレンズは似合うし、絵になるよね。というわけで、きょうもまだ雑感の域を出ないけど、ひとまずZ fcの「c」について書いてみた。写真は、また次の機会に。

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