Nikon Z fc、僕は28mm単焦点スペシャルエディションのキットを予約してたんだけど、あまりの反響の多さにこの28mmキットは販売延期のお知らせが。しかも、これが発売日がいつになるか分からないという状況だったんで、僕は一旦冷静になるチャンスだと思い笑、この予約をキャンセルしたんだよね。
とはいえ、お店に行けば実機に触れるかなとも思い、予約をキャンセルした馴染みのお店に立ち寄ってみた。すると、実はまだ売り場には並んでいなくて、おや、デモ機も足りないくらいなのかな?とレジの奥に目をやると、棚にZ fcの実機が見えた。6月末のあの発表から、いろいろ妄想するしかなかったZ fcだけど、約一ヶ月の時を経てようやく実物と出会うことができました。
遠目に見るZ fcはたしかに雰囲気があって実にカッコいい。カメラにあまり詳しくない人なら間違いなくフィルムカメラだと思うだろうね。遠目でパッと見る感じなら、カメラに詳しい人でもフィルムカメラと思うかもしれない。それほどまでに独特の佇まいと雰囲気を醸し出しているカメラと言っていいだろう。
ひとまず、馴染みの店員さんに頼んで実機を触らせてもらう。なるほど、みんながツイートとかしてる通り、第一印象は「軽い」ってことかな。もう少し正確にいうと、見た目はもう少し重量があるように見えるのに対して、思ったよりは軽い、という感じだろうか。薄いし、これは間違いなくAPS-Cをチョイスした恩恵だろう。
作りの質感のほうは、正直に言うと、いわゆる価格帯通りだと思う。つまり、この価格帯のカメラとしては頑張ったな、っていう感じ。カメラ上部はマグネシウム合金が施されてなかなか雰囲気があるけど、底部はプラスティックでバッテリー室を開ける蓋もちょっと心もとない面も。それでも、全体としてはなかなかの高バランスまで仕上げてきたなっていう感覚である。つまり、Nikonは頑張ったのである。
これは店員さんとも話したんだけど、このカメラはスペックで買うカメラじゃない。それこそ、このルックスのNikon機がこの10万円ほどの価格帯で手に入れることができるのが真骨頂だと。
それは僕もまったく同意の感想だった。Nikon Dfを知ってる人なら、そりゃもうDfのほうがすべてにおいて圧倒的にクオリティが高いです。見た目同じような物理ダイヤルを配しているけど、やはりそこは目に見える以上にコストをDfは投入していることをあらためて再認識する。つまり、Dfの代わりではないです、Z fcは。というか、そもそもそういう作り込みのクオリティで判断すべきカメラでもない。
なんといえばいいだろうか。カメラとしての立ち位置として、もっとライトに「カメラのある生活を楽しむ入り口になってほしいカメラ」というのが、ニコンさんにとっても偽りない開発コンセプトなんだろうとあたらめて思った。その時に「価格」というのは大きいのである。Nikonという会社は愚直に高機能であることにこだわるカメラ会社だけど、そのNikonが機能よりも気分を優先した。僕はそれが画期的な出来事だと思った。
まあ、それにしても、よくぞここまでFM2を模したデザインフォルムのカメラを(ニコンさん的にはオマージュではなくヘリテージデザインということ)、会社の業績も決して良くはない中で登場させたと思う。それも、ニコン通の人向けというよりも、カメラビギナー的な人向けにである。Twitterなんかを見ていても「Z fcはとにかくかわいい」という声をけっこう目にする。若い人たちや女性にしっかり届いていると思う。Nikonが「そっちをちゃんと向き始めた」、それが僕はこのカメラの意味であり、意義だと思う。
いろいろ好き勝手にお店で実機を触ったファーストインプレッションを書いたけど、こればかりは主観なんで、Z fcが気になっている人は、まずはお店へ行って実機を眺めたり触ったりシャッター切ったりして、このカメラが発するメッセージみたいなものを、その目でその手で確かめてほしいと思う。それでビビっと来れば、このカメラは間違いなく日々に新しい風のような幸福感をもたらしてくれると思う。
というわけで、僕はといえば、店員さん曰くたまたま出てきた?笑という在庫のズームレンズキットを手に入れることにした。いやあ、僕は今となってはけっこうなFUJIFILMフリークで物理的にはZ fcは必要ないし、カメラにはけっこう質感を求めてしまうほうの人間なので、正直Z fcのクオリティに満足するかどうかは、しばらく一緒に過ごしてみないと分からない。けれど、ひとつ言えるのは、眺めるだけでも幸福を味わえるカメラがあるということだ。
たぶん、しばらくしたら間違いなくMFレンズ(ルックス的にはアダプターを介しても長くならないレンジファインダー用のレンズだろうね)を常時装着してると思うけど、まずはニコンがコンセプト的にはイチオシとしてきたであろう、このカジュアルなズームレンズで、その語りかけてくるメッセージみたいなものを感じたいと思う。きょうのところは、こんな第一印象ということで。レビューみたいな話は、また次の機会に。
追伸)もう今年はカメラは買いません笑
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