FUJIFILM X-T50, Kodalens+昨日はX halfの心地よさについて書いたけど、その心地いい「ライトさ」でいうと、それはFUJIFILMのXシリーズのカメラ全般に言えることだったりする。
性能がライトというわけじゃないんだけど、どこかその存在がフレンドリーというかね。気負いなくそばに置いておけるサイズ感や佇まいが、日常カメラとして僕の求めるカメラ像と相性が良いのだと思う。
それには、APS-Cというセンサーサイズを選択しているところが、まず前提としてある。やっぱり手の中に収まる感覚もフルサイズ機より小さくしっくりくるし、レンズも小ぶりなサイズに収めやすい。これは一度でもFUJIFILMのXシリーズと過ごしたことがある人なら実感する部分じゃないだろうか。
最近だと、X-E5が前作より大きくアップデートされて、より高級化した質感や手ぶれ補正なども盛り込まれたけど、わずかに大きくなったとはいえ、そのほどよいサイズ感はあいかわらず人気だ。値段はフルサイズ機並みなのにしっかり売れているのは、そういう「心地よさ」の証なんじゃないかと思う。
FUJIFILM X-E3, XF 18mm f2 R僕はX-T50を使っているけど、その小さなボディにほぼ全部入りみたいな性能がギュッと詰まっている感じは、なかなかやるなと。強いていえば、防塵防滴性能であればなおいいなとは思うけど、そんな時はX-T5を持ち出せばいいので、特に困っていることもない。それ以上に全体バランスの良さが優っている。
カメラに関しては「完璧なカメラは無い」というか、完璧にするほどボディも価格もファットになるので、なにかにフォーカスすればなにかを引き算するのが常だし、それによってカメラの個性も際立つ。異なる性能のカメラをうまくラインナップ形成するのが、カメラを企画する人たちの腕の見せどころだろう。
今朝はX-Pro3を持ち出したが、少し前の製品ゆえに手ぶれ補正が載っていない。けれど、これによって明らかに薄いボディサイズが得られているし、フィルムカメラライクに考えるとなんら問題ではない。僕なんかはむしろ、自然なブレが得られていいとさえ感じる。
FUJIFILM X-Pro3さすがに次回作は手ぶれ補正が載ると思うけど、X100VIやX-E5の薄さを見ると、手の中の収まり具合としては十分心地いい範囲に収めてくると思う。各社のミラーレス機がフルサイズがメインになっている中で、FUJIFILMはしっかりと「大き過ぎないサイズ」というものを製品づくりの根幹に据えていると思うので。
あとは、やっぱりフィルムシミュレーションだろうね。趣味で写真を楽しむ人のすべてがRAW現像をするわけじゃないから。僕も一時期RAW現像を試していたけど、凝り始めるともの凄く時間がとられる。
FUJIFILM X-T5それからすると、フィルムシミュレーションを楽しみながら撮ることは、すなわちJPEG撮影でシンプルに撮影を楽しめるから、このあたりもライトさに大いにつながっていると思う。
カメラはFUJIFILMだけ!という人もいると思うけど、写真好きな人はいくつか使い方別に複数台のカメラを持っていたりするから、そうしたなかで「ライトに撮りたい時はFUJI機を持ち出す」という人もいるんじゃないかな。他社メーカーのカメラと使い分けてる人こそ、そんなFUJIFILMのカメラの良さを実感していると思う。
ひとつ難点があるとすれば、最近のFUJIFILMのカメラは決して安くはなく、どうかしたらフルサイズ機と変わらない値段になっていたりするから、いざ購入するとなると悩む人は少なくないだろう。
FUJIFILM X halfでも、APS-C機が「フルサイズ機の格下」みたいな発想はもはや無くなっていて、「そのサイズがじぶんの写真ライフには合っていると」という観点でカメラ選びをする時代になっているようにも感じる。そして、その価値観みたいなものを育んできたのは、まさしくFUJIFILMなんじゃないかな。
カメラは写真を撮る道具だから、持ち出してこそいい一枚が撮れることにつながる。カメラで写真を撮るのは好きだけど、いまの機材はちょっと大きいんだよなあという人は、一度FUJIFILMかカメラと暮らしてみると、けっこう新鮮なんじゃないかな。



















































