僕の一日は「きょうのカメラ」を選ぶことから始まる。それこそ目が覚めたら布団の中できょうはどのカメラとレンズにしようかと考え始めるのである。そして、起きると同時にカメラと愛犬と朝の散歩へ出かける。
そういう意味では、こうして日々カメラと辺りを撮り歩くのは愛犬のおかげでもある笑
で、今朝チョイスしたのはFUJIFILM X-Pro3なので、きょうのブログはX-Pro3についてちょっと書いておきたいと思う。
装着したレンズはXF 18mm f2 R。Xマウントシステムが発表された時にラインナップされた3本の単焦点レンズのうちのひとつで、その名残はこの特徴的な角形フードにも見て取れる。
そして、そのXマウントシステム発表の最初のモデルになったのがX-Proシリーズであり、X-Pro1だ。
まあ、ご覧のとおり誰が見ても「カメラらしい」ルックスをしており、いかにもカメラ好きの手によって開発されたことが分かる。
光学ファインダーはなんとしても載せたかったけど、この時代に出るカメラだからもうひとつインパクトが欲しかったという中で生まれたOVF/EVFが切り替えられるハイブリッドビューファインダーがX100に続き搭載され、待望のレンズ交換式となった。
つまり、カメラ好きたちが低価格コンデジから高級コンデジへと羽ばたき、さらに悲願のレンズ交換システムへと発展を遂げた、まさに夢を叶えた一台とも言えるのが、X-Proシリーズなのだ。
X-Pro1はシステム初号機ということで成熟したカメラではなかったことから、世の中から厳しい指摘もたくさんあったと聞くけど、その夢の塊はちょっとしたオーラのようなものも馴染ませているところもあって、いまだに根強いファンも少なくない。
その後に、まさにX-Pro1をブラッシュアップしまくったのが名機X-Pro2。そして、そのひとつの仕上げ的クライマックスを迎えたと感じられるのが、X-Pro3だ。
ご存知の通り、X-Pro3は背面液晶を隠しモニター構造というちょっと奇想天外ともいえる仕様で設計され、外装はチタンを使い、さらにそのうえにキズのつきにくいデュラテクト特別塗装を施すといった懲りよう。そして背面にはフイルムカメラのメモホルダーを思わせる小窓液晶をつけてきた。
まあ、開発会議で冗談で「こんなカメラがあったらおもしろいよね。あり得ないけど笑」というポイントを、ぜんぶ残したまま間違って市販化してしまったような奇跡のカメラだからね笑
いまなら、まず会議で通りっこない企画である。
使ってみるとわかるけど、なんか明らかにオーバークオリティというか、こんな遊び心の塊のような最新ミラーレス機が20万円ちょっとで手に入るなんて、これまたなにかの間違いだろうと、いまなら思う。
だから、僕なんかは、いまX-Pro3を使っている人たちこそ、奇跡な人たちと思ってる。中古相場もかなり上がったし、そもそもマーケットに流通する中古品も品薄だから、このX-Pro3を体験できている人はそれほど多くはないだろう。そういう意味でも奇跡の一台なのだ。
なんといってもレンズ交換式だから、純正のフジノンレンズ意外にも、実にいろんなレンズを装着して楽しめる。デザインもこれ以上クラシックになりようもないので、使っていて古臭くなる感覚もない。壊れでもしないかぎりずっと使い続けられるカメラでもある。
僕はもうほんと、そんなX-Pro3の精神性が好きで、誰に頼まれることもなく、こうしてX-Pro3のある日常の豊かさみたいなものをブログに書いている。
とかくM型ライカが比較に出されるが、僕はそこは別物の良さがあると感じていて、X-Pro3はライカの代わりでもなんでもなく、やんちゃカメラ好きたちの夢が詰まった現代の究極の写真機のひとつだと思っている。
このX-Pro3に、フィルムシミュレーションのクラシックネガやアクロスをセットすると、まあ大袈裟ではなく気分は完全にフィルムカメラである。この不便なような魅惑の世界を一度体験すると、なかなか手放そうという気にはならない。愛おしさの塊のようになる。
まあかなり贔屓目な言葉じりばかりになるが、僕がX-Pro3に魅せられ続ける理由だ。
X-Pro4が虎視眈々と製品化に向けて準備が進められていることと思うが、それが出てきたとしてもこのX-Pro3を傍に追いやるのは個人的にはむずかしい。
その手が、僕の脳が、このX-Pro3の感触を忘れられないのだ。さて、あなたにとってそんなカメラとはなんだろう。
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