FUJIFILM X-Pro3

X-Pro3だから、クラシックネガが生まれたのかも。

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FUJIFILM X-Pro3

FUJIFILMのX-Pro3といえば、とかく背面液晶を隠したその独特の仕様のことが挙げられるけど、実は X-Proシリーズのなかで唯一「クラシックネガ」というフィルムシミュレーションが使える。

フジユーザーの人にはおなじみのクラシックネガだけど、要はカラーネガフィルムっぽい色描写のJPEG撮影が楽しめる設計で、このX-Pro3に初めて搭載。その後、X100VやX-E4などに順次搭載されて、一気に人気のフィルムシミュレーションになっていった。

でも、考えてみると、もしX-Pro3があそこまでフィルムカメラライクな製品として開発されていなかったら、このカラーネガフィルムをテーマにした「クラシックネガ」というフィルムシミュレーションも開発されていなかったんじゃないかなって。

シャッターを切るたびに逐一背面液晶を確認するんじゃなくて、フィルムカメラの時のようにファインダーから目を離さずに一瞬一瞬を切り取り続けよう、と開発されたX-Pro3。

FUJIFILM X-Pro3, XF 23/1.4R

そこまでやるなら、撮れる写真だってもっとカラーネガフィルムのような質感がないと、このカメラは完成しないんじゃないか、と誰かが言ったんじゃないかと。

完全なる僕の妄想で、そこまで言及されたような記事や動画を見たことはないけど、ふとそうじゃいかと思ったんだよね。国内唯一のフィルム販売会社として、描写まで突き詰めて、初めて「完成」という域に達する。どうかな。

実際、クラシックネガはそれまでの各種フィルムシミュレーションとは一線を画するような、ちょっと異質とも思えるような独特の描写。他のメーカーからも「ネガフィルム的な撮影モード」は見受けられるけど、僕の個人的な見立てではクラシックネガが「らしさ」ではダントツだ。

FUJIFILM X-Pro3, XF35/1.4R

ちょっとオーバーなくらいネガフィルム的な色の転び方をするとも言え、やりすぎじゃないかという人もきっといるんじゃないかと思えるほど。でも、X-Pro3がそこまでやるなら、フィルムシミュレーションだって「そこまでやなきゃ」と、自然とそういう発想になったんじゃないだろうか。

そんなこんなを考えると、ほんとX-Pro3というカメラの開発は相当なオーバースペックだったんじゃないかな。ハイブリッドビューファインダーに、隠しモニター、背面には小窓サブ液晶を設け、さらにチタン加工にデュラテクト塗装まで。加えてクラシック願いまで開発して、それで20万円台前半に抑えた価格は、もはや儲け無しなんじゃないかと。

SNSでは誰かが「売れば売るほど赤字になる構造なんじゃないか」とすら言っていたのも分かる気がする。そこまでやったことが本当の「クレイジーなカメラ」と思われる要因だったんじゃないかな。

FUJIFILM X-Pro3, XF18/2R

X-Pro3で撮ろうと思うと、精巧な写真を撮ろうなんて概念は何処かへ行ってしまう。なんならチープシックな写りのレンズをつけて、よりネガフィルム的なザラついたライトな写真を撮りたいとすら思えてくる。

僕はそのあたりがX-Pro3というカメラの唯一無二の真骨頂だと思っている。技術が詰まったカメラというより、夢が詰まったカメラ。奇跡のようなカメラなんだ。そういう意味でも、もう今後の後継機にはそこまでの夢は望めないかなと。あ、あくまで僕の妄想だけどね、すべて。

クラシックネガとX-Pro3はセットなんだ。それが「らしさ」の完成形なのである。きっと。

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