
まるで宇宙船のようなクールな美しさを放つこの物体、そう、カメラである。いわゆるコンデジと呼ばれる、今となっては過去のものになりつつある小型のセンサーを積んだSONYのコンパクトデジカメ、Cyber-shot T77というモデルだ。
馴染みのカメラ屋の店員さんが今月で退職すると聞いて、ご挨拶がてらお店をのぞいた際に、ある意味メモリアルカメラとして購入したものだ。
といってもただ単に記念に買ったわけではない。たまたまだけど、下記のようなI-Dの記事を見かけて、ふむふむと2000年代のコンデジに関心を持ち、Nikon機やPENTAX機をそっちのけで、このクールな2008年製のコンデジを手に入れたわけである。
それにしても小さく薄い。発売当時は世界最薄というふれこみで登場したらしく、レンズ部のスライドする蓋を閉めると、それこそアルミの名刺入れかと思うくらい薄くスマート。これで手ぶれ補正も付いてズームもできると聞くと、驚かずにはいられない。
しかもこのカメラ、レンズはCarl ZeissのVario Tessarとうたわれている。SONY機はツァイスのイメージは確かにあるが、こんな小さなコンデジにまでツァイスのレンズ(しかも好きなテッサー)を積んでるのかと、ちょっと興味津々である。

2000年代も後半とはいえ、画素数が1000万画素を超えているのにもちょっと驚いた。しかも、おいしそうなCCDセンサー機だ。これだけ小さなサイズになると、裏面はモニターだけでいっぱいいっぱいだから、操作画面は当然タッチパネル。この背面モニターを指で操作していると、思わず当時出てきたiPhoneを思い出す。
レンズは前部に出っぱっていないんで、スライド式の蓋を閉めるとレンズはすべて隠され、本当にカードのようなシンプルな物体になる。この出っ張りのないレンズでズームができるというのも、思わず愉快で笑いが出てしまう。

唯一、ちょっと失敗だったのは、この当時のSONY機は記憶メディアがSDカードじゃなくて独自規格のメモリースティックDUOであることをすっかり忘れていたことだ。新品のSDカードを購入した後にそのことに気づき、やれやれと思いながらメモリースティックをネット通販で注文したのである。
あとはシンプルなハンドストラップを購入して、メモリースティックの到着を待つばかり。いちおう内蔵記憶メモリがあって5枚程度なら試し撮り保存ができるんで、しばらくはそれでパシャパシャと部屋シャッターするしかないが、それでも先述の記事のせいか、やけにドキドキワクワクしている。

思えば、僕が初めて買ったデジカメもSONYのサイバーショットだった。いまはもうどこへいったか分からないけど、当時は「街をブックマークする」というキャッチコピーに惚れて、仕事やプライベートの写真をサイバーショットで撮っていた気がする。
そういう意味では、この2008年製のサイバーショットとの出会いは、僕の原点回帰みたいなところもある。撮れる写真は、現代のスマホカメラと比べたら特に驚きは無いのかもしれないけど、「古くて新しいカメラ」というのが、手にした僕の感想。なんか趣のある写真が撮れる予感がするのだ。
作例みたいなものは、また今後のブログやTwitterにて。それまではしばし、いろいろいじって使い方を学ぶとしよう。それにしても、キュートな佇まいは立派にカメラしてる!という感慨深さがある。スマホカメラにはない何かが、やっぱりコンデジにはあるのだ。しばらく、その魅力を紐解いていこうと思う。

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