去年の秋から冬にかけて、僕はカメラを増やす予定はまったく無くて、それこそスナップはX-Pro3でいいし、じっくり撮りたい時はPENTAX K-3 IIIがあるしと、十分すぎるくらいカメラ機材には充足感を持っていた。
ところが、そんなところにこのFUJIFILM X-T5が発表されたのである。しかも、僕がふだんよく発していた「写真機」というフレーズを引っさげて。
巷ではモニターがバリアングルからチルトに戻されたことがスチール機として話題だったけど、僕がいちばんグッときたのは「サイズダウンしてきての、写真機への回帰」という点だ。
このフレーズがじぶんでも驚くほどハートに突き刺さって、もう迷う間も無くお店に電話して予約していた。
カラーはご覧の通り、シルバーを選んだ。これも「写真機」としての意味合いが大きい。初代X100の開発時に富士フイルムのどなたかが「昔、家の棚のガラスの奥に大事そうに置かれていた、あんなカメラをデジタルで作りたい」というフレーズを発したと聞いたことがあるけど、まさにそんなイメージが僕の中で重なったのだ。このシルバーのX-T5に。
写真はボディカラーで撮るわけじゃないから、別にブラックだって何色だって関係ないといえばそうなんだけど、僕の中の「写真機」のイメージが、かなり凝り固まってあるんだろうと思う。
そんなだから、X-T5を持ち出して撮る時は、どこか気持ちで撮っているようなところがある。高画素機であることとか、ノスタルジックネガで撮るとか、そういうところは割とさておきだったりして、とにかく写真機を構えてシャッターを切っていることに歓びを覚えているような状態。ほんと、偏った愛し方なんだけど笑。
でも、趣味のカメラってそんなもんじゃないかなって。自室でそのカメラを愛でたりするだけでも心が満たされていく感じがあったり、そのカメラとならちょっと肩から下げて散歩に行きたくなるとか、そんな四六時中いっしょにいたい、まさしく相棒のような存在。
僕でいえば、それはフィルムカメラに魅せられた時ととても似ていて、X-T5には同じ匂いを色濃く感じているのかもしれない。
でも、考えてみるとそれはX-T5だけじゃなくて、X-Pro1やX-Pro3、X10、X100やX100V、X-E4にも感じていること。富士フイルムのカメラには僕が思い描く写真機像がドンピシャで詰め込まれているのだろう。
そんなことを考えると、写真機らしさの象徴でもあるX-Proシリーズは必ず後継機が出てくるよな、と思う。それも、写真機好きの人間たちの想像をさらに超えるようなユニークさで。僕の勝手な妄想だけど、いちばんの妄想家こそが富士フイルムだと思ってるんで笑。
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