その小さなマクロレンズというのは、HD PENTAX DA 35mm f2.8 Macro Limitedである。
小さいと言ってもそこそこ長さもあるじゃないか?と思われるかもしれないが、上の写真は内蔵フードを伸ばした状態のもので、レンズ自体は下の写真のように実にコンパクトだ。
小さく軽いのはAPS-C専用のDAレンズならではで、しかもLimitedレンズらしくアルミ削り出しのちょっとクラシックなフォルムも実にカッコいい。
フルサイズ換算だと約50mmちょっとという標準域なのも使いやすい。ご想像の通り、接写マクロから普通の標準単焦点として使える「これ一本あればOK」という万能型レンズなのだ。
接写はなんとレンズ前面から3cmほどまで寄れる。内蔵フードを最大まで伸ばした状態だとフードが被写体にぶつかるほどで、とにかく虫眼鏡のように寄れる使い勝手は、マクロレンズで遊びたい人にはたまらないおもしろさだろう。
コーティング性能を高めたHD仕様になっているものの、基本設計はsmc時代からの製品なので、AF駆動はジーコジーコと少々クラシックだが、僕はむしろ昔のペンタックスのこの駆動音が好み。この音を聴きながら光学ファインダーで撮るのは、いかにも写真機的で心地いい。
マクロレンズというと、寄りでも破綻しないようにいわゆるカミソリマクロ的にキレキレの描写設計がなされたものが多いと言われる。
ペンタックスの高性能マクロレンズは通常「MACRO」と大文字で表記されるが、このレンズは小文字入りの「Macro」と表記され、その違いはあえて収差などを残した優しい描写をもたらしてくれるらしい。たしかに、いい感じでまろやかだ。
そして、なんといってもこのレンズは値段も買いやすい価格帯に収まっているのがいい。僕はふだんはFA Limitedレンズを好んで使っているけど、この超接写が可能で標準レンズとして使えるDA Macro Limitedレンズが一本あれば事足りるのでは?と思えるほどだ。
HD DA 35mm f2.8 Macro Limited、接写はレンズ前面から3cmほどまで寄れる。
ピント合わせはAFで瞬時に合わせた後、MFで微調整もできる設計だけど、手持ちならその微調整は体を前後に動かして行うと手っ取り早い。… pic.twitter.com/TfVv4unZhb— 記憶カメラ (@KiokuCamera) April 29, 2023
唯一、注文があるとすれば防塵防滴だったらなお最高だと思うけど、ずぶ濡れになるような使い方をしなければペンタックスのレンズならそれほど気にしなくていいだろう。
というわけで、性能と使い勝手と価格から「これは買い」と言える一本、DA Macro Limitedレンズで試し撮りしてみたので、その備忘録的ポストでした。夏へ向けて、この虫眼鏡的レンズとの散歩カメラが実に楽しみでならない。続きはまたこのブログで。
★今日のセール商品をチェック!