いやあ、どう見てもカッコいいだろう。僕のブログを見てくれている人はカメラ好きな人が多いので、ご存知の方も多いと思うけど、そう、Kodak DCS SLR/nというカメラである。
2000年代前半、まだニコンやキヤノンがAPS-Cセンサーをメインにデジカメ市場を確立していこうとしていた時代に、世界のコダックは先駆けてフルサイズセンサーを積んだ一眼レフを世界販売し始めていたのである。
と、知ったかぶりで書いてるけど、僕は歳をとってからカメラを始めた人間なので、この当時のフィルムからデジタルへとカメラ市場が大転換を始めていた様子はリアルに体感していない。でも、それゆえに、こうした当時のいきさつみたいなものを知るのは楽しい。
このカメラを手に入れた時の話は、上のリンクの過去記事に書いているので、興味のある人はのぞいてみてほしい。僕がフィルムカメラのみならず、デジカメにおいてもクラシックなスタイルのカメラが好きなのは、こうした「ルーツ」を辿るのが好きだから、というのもあると思う。
「Kodak」という響きもまた、カメラ史においては欠かせないルーツ的存在だから、そんなロゴマークがどーんとカメラ正面の土台部分に入ったカメラなんか見てしまうと、もう無条件に惹かれ、思わずお店から連れて帰ってしまうわけだ。
このカメラ、ベース機はフィルムカメラのNikon F80なので、シャッターフィールもまさにF80のそれなのだ。僕はNikon F80ユーザーでもあるので、これまたそこに共通点を見出したりすることが楽しいのだ。レンズも当然Fマウントなので、オールドニッコールのレンズたちを装着することができる。
見た目は大迫力なんだけど、シャッターフィールは穏やかで、そんなギャップもNikon F80を彷彿とさせておもしろい。もし、中古カメラ屋で見かけた際には、おそらく値段も決して高くないと思うので、自宅にある古いニコンのレンズたちを持ち出す最高の遊び道具として購入するといいと思う。
もう20年も前のカメラなわけだけど、写真機として使う分にはなんら問題なく使える。さすがに高感度ではないけど、フィルム感度を思えば日中なら特に問題ない。そう、撮影素子がフィルムからデジタルに変わっただけ、みたいな感覚だ。そして、それが僕のような人間には、フィルムとデジタルをシームレスに行き来するようで心地いいのだ。
2000年代のデジカメがこれだけ使えるわけだから、2010年代のカメラはモダンで優秀だ。動画機能や過度なAF性能をのぞけば、もうこの当時のカメラは熟成の域の写真機だから、僕なんかはそのハイテク?具合も楽しんでる笑。
なんだか近ごろのおりこうなカメラに少々飽きてる人は、数万円を握りしめて中古カメラ屋へ行き、往年のカメラを見た目で選ぶといいと思う。どのカメラも、いざ使ってみるといい具合にクセがあって楽しいし、それでいて意外とよく写ることに驚くはずだ。
そういうニヤニヤできる楽しみもまた、カメラで写真を撮る醍醐味である。バッテリーさえ見つけられれば、まだまだ使えるカメラが山のように存在するのである。
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