僕がFUJIFILMかカメラをこよなく愛するのは、その写真機らしいフォルムやダイヤル操作の使い勝手とともに「フィルムシミュレーション」で撮れることが大きい。
たとえ実際のフィルムでなくても、僕にとっては「フィルム会社がつくる画づくり」というのは十二分に「フィルムで撮ってる感」が色濃く感じられるのである。
それはVelviaでありACROSであり、このネガカラーらしい描写であるクラシックネガ(ベースはSUPERIAと言われているが)も然りだ。そのネーミングを聞いただけでも心躍るから、気分とはやはり大事なのだ。
もちろん、各メーカーにも豊富なJPEG撮影モードはあるし、どれも優秀だと思うけど、過去に富士フイルムのフィルムでいろいろ撮ってきた身としては、デジタルだって「富士フイルムと一緒に撮っている」という感覚はちょっと格別なのだ。
実際、富士フイルムのフィルムシミュレーション開発者の人たちの開発秘話の動画なんかを見ると、そのこだわりようは尋常じゃないというか、フィルムと写真が好きじゃないと到底ここまではこだわり抜けないという凄みすら感じる。
だから、僕の場合は「きょうはあのカメラで撮りたい」と選ぶ選択肢のひとつに「フィルムシミュレーションで撮りたい」というのは大きなポジションを占めるし、それはある意味、その昔「きょうはどのフィルムを詰めて撮ろうか」と楽しく悩んでいたことを思い出す。
まあ、RAW現像を追い込んで画づくりにこだわられている人からすると、たかが撮って出しでしょ?と言われそうだけど、僕にとっては撮った後にあれこれ悩むより、撮る前にあれこれフィルムシミュレーションを悩むほうがシンプルで楽しいのだ。
そんな富士フイルムのフィルムシミュレーションも、いまではかなりの数の種類があるんで、とてもすべては使い切れないが、それで好みのフィルムシミュレーションに収束されていくのも「好みのフィルムがあったあの頃」のようで悪くない。
そうそう、この前のブログにも書いたけど、KodakセンサーのLeica M8で撮るのも、なんだかコダクロームやTri-Xで撮ってる気がするから、富士フイルムのフィルムシミュレーションも気分は同じである。
フィルムで撮るのはいまだに感慨深いけど、デジタルのフィルムシミュレーションで撮るのもなかなかグッとくるものがある。富士フイルムは、デジタルになってもなお、フィルムで追いかけていた理想の画づくりをテクノロジーの力を借りて追いかけているのだ。
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