FUiFILM X-Proシリーズには、この細身で小ぶりなXF 35mm f2 R WRが良く似合う。ここまでジャストフィットする感じは、やはり純正のフジノンレンズならではじゃないかと思う。
以前は僕もフォクトレンダーのMFレンズをはじめオールドレンズを装着して楽しむことが多かったのだけど、光学ファインダーでも撮れるハイブリッドビューファインダー機を活かすならAFのフジノンレンズが最適だと考えるようになった。
そこには、かつて富士フイルムの上野隆さんが開発者インタビューで話されていたFUJIFILM Xシリーズの思想のようなものも大きく影響している。過去にもブログで紹介したことがあるけど、あらためて以下にリンクを貼っておきたいと思う。
この記事に書かれた内容には本当に多大な影響を受けていて、いまでもたまに読み返している。そういう意味では、僕が好む「デジタル写真機」という概念のバイブルみたいなものである。
ここにも書かれている通り、APS-Cを前提に設計されているフジノンレンズは、フルサイズ用のレンズよりも小型にでき、値段も抑えることができる。フィルムカメラ時代の、あのジャストサイズ感が継承されていることが、僕にとってXシステムがなんとも言えず心地いい理由だと再認識する。
絞りリングを残していることも、オプションを含めフードのデザインにこだわりが見られることも、富士フイルムという会社のカメラづくりの思想が垣間見れて、そのデザインを眺めているだけでもワクワクするところがある。
時代は常に流れ変化する。それを突破する新たなテクノロジーやビジョンにも心打たれるが、時代を経ても変わらない原点のような思想もまた、人の心を釘付けにする。ヒリヒリするような強い意志が、プロダクトに命を吹き込むのである。
上野隆さんが吹き込んだ生命力のようなものが、いいカタチでこれからも息づいて覚醒していくといいなと個人的には思う。マニアックな少数意見かもしれないが。