Leica M8

沈胴ズミクロンと静かに想いを馳せて撮る至福。

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初代 沈胴ズミクロン 50mm f2

ライツ「沈胴ズミクロン」。1954年に登場した初代M型ライカ Leica M3と共に世に送り出されたレンズで、Lマウントの沈胴ズミクロンも存在するが、Leica M3に最も似合うレンズと言っていいだろう。

そして、僕もまさに所有するM3のために、この沈胴ズミクロンを手にした。これまでいくつかのレンズをM3に装着して楽しんできたが、僕の中ではそろそろ「終着点」へという思いもあって、最もM3がM3らしく見え、撮れるであろうこの沈胴ズミクロンにたどり着いたというわけだ。

写りについては、これまで僕が使ってきた固定鏡胴の初代ズミクロンと光学設計は同じと言われているので、実際に撮っていても特に大きな変化は感じない。しかし、首からぶら下げたライカを見下ろした時に眼下に見えるそのフォルムは、あの固定鏡胴ズミクロンを超えてさらに途轍もなく美しい。

許されるなら常にM3に装着して毎日撮りたいところだが、ここ一、二年のフィルムの高騰もあってそうもいかない。けれど、沈胴ズミクロンと共に初代M型ライカが誕生した頃の気分を感じながら写真を撮りたいという思いが強く、最近はM型デジタルの初代機 Leica M8に装着して、日々持ち出している。

特に、早朝の散歩にはこのM8と沈胴ズミクロンを連れて出かけることがいちばん多い。辺りにほとんど人のいない散歩道で、時折足を止めながら朝焼けの空や道端の草花を観察するようにガラス素通しのレンジファインダーでのぞくひと時は、一瞬脳がタイムスリップするというか、大袈裟だけどライツの時代に飛ぶことができる。

もちろん、いい写真が撮りたくてカメラとレンズを道具として使っているわけだが、写真はいろんなものがのり写るものだと思っていて、強く愛する機材で撮ることもまた、写真を形成する大切な要素だと僕は思っている。

Leica M8, Summicron 50/2 1st

そういう意味でも、M型ライカのルーツに想いを馳せながらシャッターを切ることは、僕の中で写真生活を清らかなものにする深呼吸のようなものなのだ。

僕は時代やメーカーを問わず、さまざまなカメラがそれぞれ好きなので、FUJIFILMやPENTAXなど日々たくさんのカメラやレンズをローテーションしては楽しんでいるが、ライカとライツのレンズはちょっと別腹というか、僕の写真・カメラ人生の精神的支柱のようなもの。写真の原点のようなものを頭と体に注入するような存在だ。

なかでも、この沈胴ズミクロンは、そのヒストリーと機能美の塊のようなフォルムがこのうえなくそれを増幅してくれる。誰しも同じような感慨を抱くカメラやレンズがあると思う。静かに、でも強烈にじぶんの写真観を揺らして刺激してくれる機材たち。いろんな機材と戯れつつも、やがてそうしたカメラやレンズへとたどり着く様は、これ以上ない至福なのだと思う。

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