
最近はタイトル写真にRICOH GRが出ることが多いが、これは気のせいではない。事実、毎日ランニングのお供にGRを連れ出しているから、ここ一ヶ月くらいはGRを最も頻度高く使っているのだ。
僕のはスタンダードの真っ黒のGRじゃなくて、緑色のリミテッドエディションだけど、原型はAPS-Cの初代GR。もう10年ほど前の機種になるんじゃないだろうか。しかし、これがまったくといって不満がない。
いまじゃ信じられないかもしれないけど、僕が初代GR(スタンダードなブラックのもの)を購入した時は、たしか新品で6万円台だったと思う。GR2が発表される前だったから実勢価格もかなり安くなってたとは思うけど、2025年現在の感覚でいうと「すごくお得な買い物だったなあ」としみじみ思う。

いまなら、10万円以内で新品のコンデジを見つけるのもかなり大変だからね。いや、中古でもむずかしいし、そもそも潤沢に中古市場に在庫がなかったりもする。タマが少ない分、むしろ中古在庫も値段が高騰しているものも少なくないからね。
まあ、10年ひと昔と言うし、為替の変化や物価の高騰もあるんで、現在のカメラの値段も別に法外に設定されてるわけじゃないとは理解するものの、所得が同じように伸びているわけじゃないこともあり、「カメラ、やたら高価ななったなあ」というのが実感値なのはたしかだろう。
昨日、SNSでもつぶやいたけど、中古のFUJIFILM X-Pro3が某店で27万円という値札を見かけたのも少々驚きだったな。これも僕が新品で買った時は、たしか21万円ちょいくらいだった記憶があるから、新品価格よりも値上がりしてる状態なの?という驚きである。

でも、これとて冷静に考えると、発売時の値付けのほうが安すぎたのかな?とも思ったり。フルサイズではなくAPS-Cセンサーサイズだけど、ハイブリッドビューファインダーで、背面には小窓液晶まで設けられ、チタン外装でその上にデュラテクト塗装まで施し、カラーバリエーションは3色選べるという贅沢っぷりだったからね。
開発過程のその力の入れようを鑑みたり、現在の新品カメラの値段事情と比べたりすると、27万円は案外妥当かもと思ったりも。と同時に、これは後継機種のX-Pro4が出る時は確実に30万円オーバーだろうな、とかね。
けれど、嗜好品であるカメラは、それこそ需要と供給による「価値を値付け」するほうが自然で、単にかかった材料費や作業費にちょっと利益をのせて値付けするという類のモノではないのかもしれない。多くの人がそこに価値を見出すなら、原価とかを度外視して価値に値する値付けを行えばいいのかもしれない。

しかし、そうなるとフィルムの値段の高さだけじゃなく、デジカメも値段がどんどん上がっていき、ちょっと本格的な写りを求めるなら軽く30万円台、40万円台は当たり前になる時代がすぐそこまでやってきているようにも思え、なかなか気軽な趣味とは言えなくなってくるな、なんて懸念も少し感じたりしている。
まあ、僕個人がそんなことを感じたとしても大した問題じゃないが、ふと昨今のカメラの値段を見て考えさせられることは多い。それにレンズの値段も乗ってくるからね。一周回って、これは格安のフィルムカメラを手に入れてフィルムで抑えのきいた少量の写真撮影を楽しむろうがいいんじゃないかと、ふと思ったりね。
この話に結論はないので、最近感じていることの備忘録ということであしからず。メカの世界は新しいモノにワクワクしたりもするけれど、最近むやみやたらな物欲は失せつつある感じもあって、それはある意味、写真を楽しむうえではピュアでいいことかも、とか考えておる。さて、みんなはどんな感覚だろう。