
さすがに、そこまで言うと極端か笑。いや、でもね、総じて写真が上手ではないただの写真好き、カメラ好きの僕でも、このレンズで撮ると失敗写真だと感じる率がかなり下がる。これは感覚的にかなり明瞭に言える。
じゃ、それは何が要因なのか?と言われたら、それを僕に答えられる知識も知恵もないが、シンプルにニッコールのレンズが見事な作りと描写であるということだろう。
実際、僕は遊びも兼ねてサードパーティ製のレンズなども使うが、ニッコールはちょっと「別格」という感覚が昔からある。Fマウントレンズの頃から明確に「他とはちょっと違う」というのはあったけど、Zマウントになってそれがさらに磨かれたというか、突き抜けたような感覚がある。

Z6を使い始めた頃、Nikkor Z 50mm f1.8Sでなにげに辺りの散歩写真を撮ってSNSにポストしたら、ふだんからリスペクトしている撮影者の方から「この写りは、これまでとは異なるなんとも言えない素晴らしさがありますね」といったニュアンスの言葉が、いまでも忘れられない。
もちろん、世の中には高価でいいレンズはたくさんある。ニッコール以外にもそれぞれの人たちが感激する銘玉があるだろうけど、僕らのようにFマウントの頃からニッコールの描写に魅せられてきた人間には、その延長線上の特別な「上塗り感」を感じるのかもしれない。それは単なるニコン贔屓とは違う感覚である。

このNikkor Z 50mm f1.4も、Sラインレンズでもないのにとんでもなく心を鷲掴みされるような描写を垣間見せてくれる。しかも開放からである。レンズの大きさだけはFマウント時代からすると長くなって、そこなんかはちょっと不満もなくは無いけど、そんなこんなもZの描写の凄みが帳消しにする。
これは過去にも何度も書いてるけど、キットレンズでプラマウントのNikkor Z 40mm f2ですら思わず唸る描写性能だから、これはもうニコン開発陣らの執念というか、写りが安いものは作れないという自負でありプライドだろう。

当然そのニッコールにも、さらに化け物級の明るいレンズやズームレンズがあったりするわけだが、僕の写真の楽しみ方であれば、もうこの40mm f2と50mm f1.4のレベルで相当な満足に値するから、そういう意味では趣味のレンズとしてはコスパもいい。

いま、新型ボディのNikon Z5IIも売れに売れてるみたいだけど、あれなんかもフルサイズ入門機なんてスペックを圧倒的に超えて作られていることにみんなが素直に共感するのだろうし、ニッコールレンズの未来に対する期待感の表れでもあるんだろうね。
「描写を突き詰めたいならニッコール」。それは間違いないと思う。