
久しぶりに雨じゃない週末。おかげで朝からM型ライカで散歩を楽しみ、午前中のうちにまったりランニングも楽しむことができた。でも一日の終わりは頭と体を癒したいと思い、手にしたカメラがNikon Zfだった。
Nikon Zfは決してコンパクトでも軽量でもないのだけど、このカメラを手にして撮り歩くと、言葉にならない癒し効果があると思っている。
それには、やっぱりデザインの要素が大きい。往年のフィルムニコンをオマージュしたフォルムは、昨今のミニマルでエッジの効いたデザイン思想とは真逆というか、当時のプレス技術のある意味甘さであるダレをも再現したフォルムは、見た目も手触りも実に優しい。

物理ダイヤルで構成されたクラシックなスタイルのカメラも各社から増えてきたが、いわゆるヘリテージデザインとして最も再現性が高いのがNikon Zfじゃないかと思う。
いや、描写性能に際して「デザイン」は直接的には関係ないが、撮り手の心境みたいなものが写真に写り込むとしたら、やはりカメラがもたらす「見た目のデザインの心地よさ」は少なからず影響を与えていると僕は思う。
フルサイズのミラーレス機だから、アダプターを介して実にさまざまなレンズを楽しめることもあり、各種オールドレンズやマニュアルフォーカスレンズが楽しめることも大きい。そのクラシックなボディに合わせて、ユーザーの人たちも実に多種多様なレンズを装着して、思い思いに写真を楽しんでいる。
僕もZfを購入して以来、いろんなレンズを装着しているけど、近ごろは原点回帰というか、Niikon純正のZマウントレンズにたどり着いた感があり、これまたフィルムニコンから思い入れのある「ニッコールの世界」という感慨深さに癒されている。
まあ、こう書くとなにやらNikon Zfは古めかしい思想のカメラと思われるかもだけど、中身は現行Zボディの上位機種並の性能が与えられているので、実用性についても満足度は高い。モノクロ写真への回帰として設けられたモノクロ/カラーの切替スイッチも僕は重宝していて、そこらはしっかりとモダンに設計されている。
僕の場合は気分転換のためにいろんなカメラをローテーションして使っているけど、実用面でいえばカメラはNikon Zfが一台あれば大抵のシーンはこれ一台でいけるし、その分、いろんなレンズを交換してバリエーションを楽しむにもうってつけの一台ではないだろうか。

昨今はレンズ一体型のコンパクトなカメラが人気だが、こういう「手応えのあるカメラ」というのかな、少し大ぶりでもじっくり構えて一枚一枚シャッターを切る楽しみのカメラで、「撮ってる癒し感」を楽しむのもまた、趣味のカメラの醍醐味ではないだろうか。
たぶん、一度手にしたら、フィルムニコン同様に、ずっとそばにおいて愛でることを楽しみたいと思えるのが、Nikon Zfというカメラの最高性能なんじゃないかなと思っている。