撮り比べたといっても、散歩の途中に1カットだけ13種類でぜんぶ撮ってみた、というだけなんで、写真のフレームもそれぞれ微妙に違う。
また本来はシーン毎に使い分けるカスタムイメージだから、こうして同じ花ばかりで比較してもどうなんだろうという感じだけど、そこは同一写真で比較ということでご了承を。本格的に比較したい人は、いちばん下に貼ってあるPENTAX公式の外部リンクをのぞいてもらえればと思う。
では、ひとまず僕の撮った写真でだけ、以下のようにざっと写真を並べてみたい。カスタムイメージの解説文章はPENTAX公式HPのものです。
1. 鮮やか
輝度の低い青による濃厚な青空や、活き活きとした緑など、自然風景に万能なカスタムイメージ。*ist DSで搭載されていた画像仕上げ設定から変わらぬ画作りを維持しており、 PENTAXユーザーの実に6割の方々が愛用し、“PENTAXカラー”の代名詞となっています。
意外と驚くのは、この「鮮やか」という撮影ポジションが一番目に登録されていて、「ナチュラル」よりPENTAXスタンダードな位置付けなんだよね。PENTAXは色のりが良いと言われる理由かなと思った。
2. ナチュラル
PENTAXらしい鮮やかな色の再現性を備えながらも、色相ごとの輝度・彩度のバランスが良く、あらゆる被写体に向いた画作りです。PENTAX初のデジタル一眼レフカメラである*ist Dの画像仕上げ設定がベースとなっており、伝統的なカスタムイメージのひとつです
二番目にこの「ナチュラル」が登録されている。FUJIFILMのフィルムシミュレーションでいえば、スタンダードなProviaということになるだろうか。僕はこの自然な感じ、好きだな。
3. 人物
人物向けの設定として搭載されているカスタムイメージで、マゼンタの色相が強調されるため、健康的な肌の色合いを得ることができます。ポートレート撮影などで設定に迷ったときには、まず「人物」をお試しください。
肌の色重視か。ごめん、花の写真だとそのへんの差はちょっと分からないかも。
4. 風景
同じく風景向けのカスタムイメージである「鮮やか」をベースとし、青と緑をより鮮やかに表現。また、紅葉を引き立たせる黄色が特徴的なカスタムイメージとなっています。
これはどのメーカーのどの機種にも必ず搭載されている風景写真向きのポジションだね。少しヴィヴィッドな印象。
5. 雅(MIYABI)
赤・緑・青の3原色が印象的な仕上がりとなり、日本の四季折々の風景を瑞々しく表現することができます。マゼンタ寄りに仕上げた青は深くクリアな印象をもたらし、くすみのない赤の色合いは神社の鳥居の赤色の再現性に富んでいます。トワイライトタイムの薄紫がかった空模様など、マゼンタの再現性が活きるようなシーンでも魅力的な仕上がりが得られます。
雅は、僕の印象はちょっと色がギラギラし過ぎる気がしたけど、意外とシックな色合いの日本家屋とか神社仏閣なんかを撮るのに良いのかも。そういうシーンだと日本的な発色に定着するのかもと思った。
6. 里び(SATOBI)
シアンがかった特徴的な青空、くすんだ黄色、褪せたような赤色など、60~70年代のカラー写真の風合いにも似たカスタムイメージ。独特な赤の表現は、人物撮影などにも向いています。乾燥して荒涼とした土地のイメージを伝えたり、どこか懐かしさをおぼえるような色褪せた表現が楽しめます。
里びになると、変化は一目瞭然になってくる。富士フイルムのフィルムシミュレーションでいうところのクラシックネガみたいな立ち位置というか、他のカスタムイメージと明らかに方向性が違う印象。僕はかなり好きかな。
7. ポップチューン
「鮮やか」「風景」「雅(MIYABI)」などの色彩豊かな仕上がりと比べても、一線を画すような鮮やかさを表現します。彩度、コントラストが高く、それぞれの色相も誇張表現を行っており、キーの初期設定値を高めにすることで明るい印象としています。
とにかく目を奪うような色彩表現が特徴ですが、曇天のフラットな調子にメリハリを加えるような用途でも活用できます。
これはもう文字通り、ザ・ポップな印象。これは僕はまず使用しない気がするけど、どういうシチュエーションの写真ならハマるのか、ちょっと公式HPの作例や説明をもう少し調べてみたい。
8. ほのか
ハイキーかつローコントラストで、彩度を抑えたカスタムイメージ。カスタムイメージ詳細設定の“キー”は、この「ほのか」の調子を再現するために追加されたパラメーターです。それぞれの色の芯はしっかりと残っているので、彩度、キー、コントラストのパラメーターを調整したり、8色から選択できる“調色”を加えて全体にうっすらと色味を乗せ、全く異なる印象に仕上げることもできます。
これもある種、独特の色の魅せ方。いわゆる、ゆるふわ写真というか、ハイキーで見せたい時に使用するのがいいのかな。
9. フラット
レタッチを想定したカスタムイメージです。初期設定ではコントラストが-4に設定されており、メリハリを抑えた設定となっています。色の誇張がなく忠実な色彩表現を行ったもので、撮影後のレタッチを容易にします。
これは、どのメーカーにもある、レタッチを前提としたフラットな絵を記録しておくもの。でも、このまま使っても意外と悪くない気がする。
10. 銀残し
映画フィルムの現像手法である「銀残し」のような、ローキーかつハイコントラストや渋みのある色彩表現が特徴です。初期設定では“調色”効果がグリーンに設定されていますが、効果をOFFにしたり、他の色味に変更することで、様々な銀残し表現が楽しめます。
ブリーチバイパスと同じ意味の銀残し表現だけど、RICOH GRのブリーチバイパスとはちょっと違う印象。というか、このトーンは僕はかなり好きで、もう常用ポジションにしようかと思ったくらい。世界が暗くなるかな笑。
11. リバーサルフィルム
「リバーサルフィルム」のような黒の締まりと濃厚な色彩を表現するためにチューニングされているカスタムイメージ。独特なトーンカーブによって陰影表現をしており、彩度をいたずらに高めるのではなく、コントラストによって深みのある色再現を行っています。
実際のリバーサルフィルムの現像をイメージし、あえて明るさやコントラスト、彩度など、調整する機能をなくしています。(詳細設定はシャープネス設定のみ有効)
これは文字通りポジフィルム的な世界観なんだろうけど、富士フイルムのフィルムシミュレーションVelviaなんかと近いのかな。空や海、紅葉なんかは映える気がする。
12. モノトーン
白黒やセピアなど、「モノトーン」で階調豊かな表現を行うカスタムイメージです。コントラストの調整だけではなく、調色設定によって純黒調から、温黒調(ウォームトーン)、冷黒調(クールトーン)など、細かな印象変更も可能です。
さらに、8種類のモノクロフィルターの設定でモノクロフィルム撮影さながらの表現が行えます。
モノトーンは完全にこの花の写真だと比較ができないと思うけど、僕はもともと白黒写真好きでもあるんで、このポジションが合うシーンや細かな調整の設定をちょっと追いかけていきたいと思う。
13. クロスプロセス
フィルムの現像手法のひとつである「クロスプロセス」のように、独特の色やコントラスト表現を行うカスタムイメージ。初期設定では毎回仕上げのパラメーターが変わるようになっており、デジタル画像でありながら「フィルムのような偶然性」を楽しめます。
説明にある「毎回、仕上げのパラメータが変わるようになっている」というのがとても興味深い。その変化も垣間見たいんで、また次回、クロスプロセスだけで撮り続ける日を設けたいと思う。
という感じで、ざっと13種類のプリセットイメージを載せてみたけど、どうだろう。
RAW現像する人にはあまり関係ないかもしれないけど、僕なんかはRAW現像しないJPEG派なんで、こうしたプリセットの撮影ポジションはけっこうたいせつ。フィルムを入れ替えるように「きょうは、このポジションで撮ろう」みたいな撮り方を楽しんでる。
「PENTAXは色のりが独特」とよく聞くけど、たしかにスタンダードであろう「ナチュラル」ポジションでもその片鱗はうかがえる。それでも、より色のりのいい「鮮やか」がデフォルト設定になってるわけだから、PENTAX機が色で語られることが多いのも納得がいく。
さて、あなたはどの撮影ポジションが好みだろうか。