今朝の散歩カメラにはFUJIFILM X-Pro3を持ち出していたのだけど、いろんなカメラを触った後にこのカメラに触れると、やっぱりAPS-CサイズのX-Pro3のサイズは、薄く、軽く、絶妙だなと思うのである。
なぜ、FUJIFILMがフルサイズでもなく、マイクロフォーサーズでもなく、APS-Cサイズをチョイスしたのかというのは、過去にもインタビュー記事などで紹介されているが、描写のリッチさとサイズ、そして販売価格のバランスから吟味された結果だ。
Xシステムが立ち上がった後に、やがてそれまでレフ機を踏襲していた他社メーカーが徐々にミラーレスに参入したから、そうした対抗的観点から見れば「FUJIFILMはなぜフルサイズで戦わないの?」という声も当然あったかと思うけど、富士フイルムはフルサイズをゼロからシステム構築するよりも、ラージフォーマット(いわゆる中判デジタル)のシステム構築に舵を切ったのである。
僕もラージフォーマットのFUJIFILM GFXを使っているが、たしかにこの描写のリッチさはフルサイズの描写を超えるものがある。しかし、フルサイズセンサーの約1.7倍もの大きさのセンサーを積むボディは、ミラーレスとはいえなかなか大ぶりだ。
そう、その対比としてのAPS-Cサイズの軽量コンパクトな感じは、たしかに存在感アリアリだと再認識するのである。
ここのところの富士フイルムの力の入れようを見ていると、たしかにGFXシリーズの拡充に本腰を入れているように見える。一方で、その対比としてXシリーズはコンパクトなX-T50やX-M5を投入していて、いわゆる「上と下」をまず整えているように感じる。
そうして上下のニーズをしっかり骨固めしたうえで、満を持して来年、その間に絶妙におさまるX-Proシリーズの新たな製品を投入してくるんじゃないかと個人的には考えている。あくまで素人考えの妄想だけど。
でも、こうして大きいカメラや小さなカメラがいろいろ出揃ってきた時にこそ、X-Proシリーズのサイズがいかにジャストサイズで絶妙なのかというのが、強く市場に認識されるような気がする。それは、単なるカタログ上の寸法データのみならず、手に持った時の微妙な感覚の話である。
もちろん、ウルトラCとして次のX-Proシリーズが、センサーも含めて中間を埋めるフルサイズになる可能性もゼロではないだろう。けれど、ボディ以上に、これからまたフルサイズ用のレンズシステムを構築するパワーは並大抵ではない。そのエネルギーがあるなら、ラージフォーマットのさらなる拡充に向けられるんじゃないかと。
となると、APS-C専用のXシリーズは、今後どういう進化を遂げていくのか?というのは、とても気になるところ。
画素数をあげるといっても趣味の実用機としては扱いやすいデータサイズの限度があるだろうし、AF性能や動画性能の進化にしてもそれ自体が特色となって他社と対抗するレベルというのも相当なもの。そもそも、フイルムカメラのような撮影スタイルをめざしたX-Proシリーズのユーザーが求める方向とも異なる気がする。
まあ、この話に結論はなにもない。僕的にいえば、次世代型のX-Proシリーズ云々というよりも、これまでのX-Proシリーズに強く共感しているし、まだまだ所有しているX-Pro1とX-Pro3がバリバリの現役なので。
中古価格はあいかわらず高値気味だけど、X-Proシリーズにかぎっていえば、年数を重ねて古くなるというよりは、さらにヴィンテージ感が増すというポジティブさすら感じる。購入を迷ってる人がいれば、僕はたぶん「アリなんじゃないか」と答えると思う。
これほどまでに手に馴染むカメラもそうはない。触れば触るほど、その絶妙なバランスに感心する、それがFUJIFILMのX-Proシリーズ。機会があれば、その感触をぜひ一度、確かめてみてほしい。おそらくカメラ史に残る、そのプロダクトに込められた真髄のようなものを体感することになると思う。
★今日の注目商品をチェック!