FUJIFILM X-T50, XF 35mm f1.4 RFUJIFILMユーザーの間では、かねてから神レンズとして親しまれている銘玉がある。フジノンXF 35mm f1.4 Rである。その誕生は10年以上前のXシステムが世に出たタイミングだから、年代だけ見ると「過去のレンズ」になるのかもしれない。
実際、高画素化に合わせて後継レンズも出ているが、僕なんかは思い入れもあって、いまだこの1型の初代レンズを使っている。全群繰り出し型のAF機構はジーコジーコと少々懐かしい音色を発するが、写真機らしさを楽しむ分にはむしろ雰囲気があっていい。
このレンズが神レンズとして愛される理由は、やはりその開放f1.4で撮った時のとろけるような美しいボケにあるだろう。元来ボケ好きの僕にはたまらない描写で、常日頃はほぼ開放でシャッターを切りまくっている。APS-Cなのでフルサイズに例えると1段分ほど落ち着くせいか、そのボケも破綻していない感じがいい。
FUJIFILM X-T50, XF 35mm f1.4 R
FUJIFILM X-T50, XF 35mm f1.4 R
FUJIFILM X-T50, XF 35mm f1.4 R
FUJIFILM X-T50, XF 35mm f1.4 R
FUJIFILM X-T50, XF 35mm f1.4 Rそんな開放からどんどん撮れるレンズを、さらに2段絞るとどうなるのか。f2.8まで絞った描写はもちろん美しい。あくまで個人的な見解であるが、その抑えの効いたボケ感は上品さが増し、どことなくじぶんの写真の腕前が上がったような端正な感じを受ける。俗に言う「レンズは2段ほど絞ると良い」というのは、特に古めのレンズではそう感じる。
ちょっと爆発的で驚きを感じられる開放も楽しいが、たまに少し絞っていつもと少し違う表情を楽しむことは、新しいレンズを試すことよりも興味深い。考えてみると、所有している機材であまり試したことのないコトはけっこうあって、そういうコトを深掘りしたり発見することがなんとも奥深くて楽しいのである。
新しいレンズは、洗練されるという意味ではどこかお利口な描写にもなる。それからすると、少し古いレンズの個性ある描写を少し絞ることで落ち着かせるくらいのほうが、いい感じに個性も根底に残る感じがして、ちょうどいい塩梅の「現代のオールドレンズらしさ」みたいなところに落ち着くのかもしれない。
FUJIFILM X-T50, XF 35mm f1.4 R
FUJIFILM X-T50, XF 35mm f1.4 R
FUJIFILM X-T50, XF 35mm f1.4 R
FUJIFILM X-T50, XF 35mm f1.4 R
FUJIFILM X-T50, XF 35mm f1.4 Rカメラが新しい高画素機という組み合わせなのも、また絶妙な塩梅を醸し出してるのかもしれないが、僕はテクノロジーに詳しくないので、そのあたりのマッチングの妙を理詰めで語ることはできない。ただ、なんとなくいい混ざり具合であることは直感的に感じる。趣味のカメラなんで、それでいいのである。
当初は軽量コンパクトで値段もフルサイズのレンズに比べて割安というのがフジノンレンズの売りでもあったと思うが、10年ほど経て富士フイルムのカメラやレンズもけっこう高価になってきた。このXF 35mm f1.4 Rも本来ならもう少し年数に応じた値崩れ感があってもいいが、実際はいいお値段を維持している。
しかし、そのいいお値段に見合う描写は堪能できると思う。むしろ、いい感じでヴィンテージ感も出てきている一本がもしれない。富士フイルムが誇る渾身の標準単焦点レンズとも言える伝統のXF 35mm f1.4 R。開放で、またはちょっと絞って、さらにはしっかり絞りまくって、その全容を確かめまくるのも至福の楽しみではないだろうか。


















































