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フィルムの銘柄がまたひとつ消え、なかなか厳しい写真界隈なわけだけど、だからといってスナップがやめられるかというと、そう簡単なものでもない。やっぱりカメラで撮りたいじゃないですか、目の前の光景たちを。
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街の中には色があったり、形があったり、影があったり、人の気配があったりして、言わば撮りたいと思わせるものの宝庫。それを前にするとコストなんか気にせず、ただただシャッターを切りたいと思うのだ。
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僕なんかは特にシャッター好きだから、そこはなかなか歯止めが効かない。誤解を恐れずに言えば、写真好きというよりカメラ好きだし、カメラ好きというよりシャッター好きだから、とにかくシャッターを切ることで「生きてる!」って感覚を得ることに脳が、体が動くのである。
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あと、実験的要素といえばいいのかな。例えばこの時間帯の光でここをこの露出で切り取ると、どんな描写になるのかなとか確かめたい衝動があるんだよね。ほんと、これは衝動的なもので、ある意味、理性が少し遠のくようなところがある状態。ブチトランス状態なのかもしれないね、スナップって。
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僕のまなざしとはそんなだから、大した写真は一枚も無い。特に誇れるものもないし、誰かに強烈に見せたいと思える写真でも無い。でも、じぶん的には実に楽しいんだよね。カメラを持って街の中を漂流するようにシャッターを切って歩くのがたのしい。これはもうしょうがないのである。カメラがあることで僕は生きてると感じられる。カメラには感謝しか無いのである。だから、誰に頼まれたわけでもないんだけど、こうしてカメラのある小さな幸福感みたいなものを、日々ブログにしている。
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ところで、もうお気づきの人も多いと思うけど、これらのスナップたちはすべてFUJIFILM X100Vで撮ったもの、つまりフィルム写真ではなくてデジタルのスナップ写真たちだ。僕が多用しているのはフィルムシミュレーション「クラシックネガ」。X100Vはまさにクラシックネガで街を撮りたくて手に入れた。だって、シャッター好きでとにかく数多くシャッター切るから、フィルムだけだとそれこそ破産するのである。
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でも、フィルムで撮れない代わりにクラシックネガで撮っているみたいな、なにか悲壮感とか妥協みたいな気持ちは一切ない。むしろFUJIFILMには感謝しかない。こうして街を撮りたいと引き続き思わせてくれるわけだから。要はシャッターが切りたい、街をスナップしたい、それが叶うならフィルムであるかどうかは僕はそれほどこだわりはない。撮れることが幸福なのである。考えたらフィルムとデジタルを両方楽しめる奇跡のような時代。謳歌しようじゃないかと、その奇跡のいまを。