Nikon Z fc

がんばれニコン、思い出をつくる仕事。

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Nikon Z fc

いい佇まいだ。ミラーレスはすっかりFUJIFILMフリークの僕だけど、このNikon Z fcだけは別腹だ。だって、このデザインはフィルムニコンを愛してきた人間には、かけがえのない思い出の塊のようなものだからね。

思うところあってNikon Z6を手放して以来、僕にとってのNikonとはFマウントのことで、また再びZマウントを手にすることは無いと思っていたけど、このZ fcが軽やかにその壁を打ち破ってくれた。それは、まさしくこの往年のFマウントニコンを思わせるデザインのおかげなのである。

Nikon Z fc

以前にも書いたけど、写真というのは撮った瞬間から思い出として後に残っていくものだから、それを写す道具であるカメラも思い出制作装置というか、やはりノスタルジックな雰囲気がとてもよく似合う。単に懐古主義ということではなく、ノスタルジックなカメラに惹かれるのは、物理的な機能美でもあるわけだ。

Nikon Z fc

僕らのようなかつてのフィルムニコンを愛した人間だけでなく、昔のニコンを知らない若い人たちでもZ fcを「かわいい」と言って直感的に視線を向けさせる感じは、まさにカメラに求められる本能的デザインのあり方を示唆しているように思える。レトロデザインというジャンルというよりは、これが「カメラデザインの本質的な原型」と言えるんじゃないだろうか。そういうことをあらためて気づかせてくれるZ fcの登場の意味は、かなり大きい。

Nikon Z fc

まずもっては「デザインだけの魅力で持ってもいいカメラ」と言っても差し支えないと僕なんかは思う。このカメラを眺めているだけで、なんともいえない感情が沸々と心に宿るなら、それだけでもカメラを手にする意味としては大きい。心が高揚するカメラこそ、最上のカメラである。撮る以前からそんな風に心躍ることができるなら、それはカメラにとって最高性能といっても決して大袈裟ではないだろう。

Nikon Z fc

そして、このデザインとは機能美でもあるから、それは「カメラを操りたい」と望む人には、しっかりと楽しさも提供してくれる。デザイン重視で実際の撮影はオートでサクサク撮るもよし、けれど少しカメラに慣れて来たら各部ダイヤルをカチカチと操作しながらマニュアルライクに撮る楽しみも味わえるのが、このZ fcというカメラの魅力だろう。それは、単にデザインを超えたラインナップの中での価値あるポジションを意味する。

僕はマニュアルフォーカスのレンズが好きなんで、マウントアダプターをフォクトレンダーのレンズなんかを楽しんだりもしてるけど、このZ fcのもう一つの魅力である「軽さ=カジュアルさ=持ち出しやすさ」という点でいえば、キットレンズを装着して撮影するのが最もシャッターを切る回数が増える楽しみ方かもしれない。それほどまでに、キットレンズと組み合わせたZ fcの軽やかさはずば抜けている。

Nikon Z fc

僕は当初は単焦点キットの28mm F2.8のセットを予約していたんだけど、販売延期で手に入る日の目処が当面立たないということで、ズームレンズキットに切り替えた。レンズについては、どうせMFレンズを楽しむか、いずれ出る28mm F2.8を別途購入すればいいやという、どこかズームレンズにはあまり期待していないところがあったんだけど、これがなかなか秀逸なズームレンズなのである。ひと通りMFレンズも楽しんだんで、再びこのズームレンズを装着して楽しもうと考えているところである。

Nikon Z fcなら、首から下げて街中をずっと歩いていけそうだね。 そういえば、Nikon Z fcとレンズキットのズームDX 16-50VRの写真をブログにアップしていなかったなと思い、遅ればせ...

ズームレンズの写りのほうは、上の記事に作例的な写真をいくつか載せてあるので、興味のある人はそちらものぞいてもらえるといいと思う。Z fcのその軽さについては、モック?かと思うくらいのそのあまりの軽量さに「なんかプラスティッキー」とか「オモチャっぽい」といった声も聞かれるけど、まずはこのカメラの真骨頂はデザインでありカジュアルさだから、そこを最優先したZ fcのありようをまずはビギナーの人に楽しんでほしいと思うし、それがカメラ趣味の入り口になれば、それはNikonとしては大成功だと思う。

そして、どうしてもZ fcに重厚感を求める人は、今後、必ず出てくるであろうフルサイズ版のZfの登場を首を長くして待ってもらえればいいんじゃないかな。Nikonもその手応えを感じてると思うよ。

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