
海外のユニークなサードパーティレンズやカメラアクセサリーを日本国内に紹介している2ndfocusさんから、SG-image AF 55mm f1.8 STM Zマウントを送っていただいたので、きょうはその使用感とか撮った写真を紹介したいと思う。
このレンズはフルフレーム用なので、Nikon Zfに装着して、今週がまさにピークの桜の花なんかを試し撮りで撮影してみた。
SG-imageというブランドは個人的にはあまりなじみがないのだけど、調べてみると2023年に中国の深圳で立ち上げられた新興ブランドで、最近だと星形やハート型のボケが撮れる変わり種のレンズで話題になっていたブランドだ。
そんな印象もあって、最初はこのAF 55mm f1.8もどこか変わり種的な描写のレンズなのかな?と想像したんだけど、結論から言うともの凄く真面目に作られた、まさに正統派の明るい標準単焦点レンズであった。
ある意味、激戦区である標準単焦点レンズ群のなかにあって、ユニークと思えるのは焦点距離が50mmではなく「55mm」とちょっとだけ狭く刻んているところ。僕なんかは「55mm f1.8」と聞くとスーバータクマーを思い出し、このSG-imageの開発者の人たちもやはり往年のレンズ好きな人たちなのだろうとニヤッとした。




外観の特徴はシンプルで精悍な感じだが、スクエアフードが個性的でデザイン的に効いている。金属製でしっかり作られているんで重さはある程度あるけど、全体の質感をとにかく高く仕上げたかったという思いが伝わってくる作り込みだ。
最短撮影距離は50cmと、Nikonの純正のZレンズなどと比べると少々長めだが、静かなステッピングモーターで小気味よく決まるAFも気持ちいいし、撮っていて不満を感じることはない。2023年に起業したベンチャー的企業が、これほど「普通に良いレンズ」を送り出していることに軽い衝撃を受ける。


描写のほうも実に真面目でちゃんと作られている印象。中央部分のピントが合った位置からボケの流れ方も綺麗で、周辺は多少甘いものの味と思える範囲かなと。少し絞るとさらに描写は端正なものとなり、純正レンズと厳密に比較などしなければこれで特に不満を感じる人はまずいないんじゃないだろうか。それほどまでに、普通によく写る。





それでいて、値段のほうは純正レンズの半分以下の価格なので、そのコスパの良さがなんといってもこのレンズの最大の売りだろう。かねてからマニュアルフォーカスであればそうしたサードパーティ製のレンズ候補はあったが、オートフォーカスでここまで正統派なサードパーティレンズが出てきているのは、僕ら趣味のカメラ層には選択肢としてうれしいところ。
最近は各社からさまざまなカメラやレンズが発表されているが、もちろんどれもいい性能ながらどうしても高価な印象。フルサイズのボディともなるとそれだけで20万円を軽く超えてきて、趣味としてはかなり高額だ。せめてレンズはできるだけ安価に抑えて楽しみたいという人も少なくないだろう。そう言うニーズにはまさにぴったりのSG-imageのこのレンズ。






安価だから開放の描写も甘い、というのはもう過去の話かもしれない。それくらい、このレンズは正統派な写りをめざして真面目に作られた一本だと思う。オールトレンズ的な遊びの描写よりも「ちゃんと撮りたい」という人におすすめのレンズではないだろうか。個人的にはSG-imageというブランドの印象がちょっと変わった一本だった。
これからの本格的な写真撮影シーズン、これまでのラインナップに手頃な標準単焦点レンズを一本加えて、眺めのいい場所へ出かけてみるのはいかがだろうか。
◎Zマウントのほかに、ソニーEマウント、富士フイルムXマウントが選べる。たしかにAPS-C機で使っても真ん中付近のより気持ちのいい描写が楽しめそうだ。