一昨日、先行販売が始まった新製品〈AstrHori 120mm f2.8 MACRO 2X〉を2ndfocusさんから送っていただいたので、早速少し試し撮りをしてみた。きょうはその感想とか撮影した写真の雰囲気を紹介したいと思う。
このレンズは2Xの名が示す通り「2倍マクロ」の性能を持った120mmの単焦点レンズ。マクロレンズを初めてのぞくと、肉眼では見えないような拡大された世界に驚くが、2倍マクロともなるとその眺めはさらに大迫力だ。
レンズのサイズはご覧の通り、けっこう大きく、金属でしっかり作られているため重さもそれなりにある。けれど、その大迫力の眺めと美しい描写力が、その大きさと重さを帳消しにしてくれる。
AstrHoriは中国製レンズの中でも個人的に好きなブランドで、チャレンジ精神旺盛で革新的なレンズづくりに挑戦しながらも、その作りは生真面目で実直。おもしろさと美しさを両立させた、実にユニークな撮影体験をもたらしてくれる。
この2倍マクロレンズも鏡筒のデザインは実にロックだ。AstrHoriの中国名は岩石星と書くが、まさにそれを体現したようなワイルドさがある。こういうレンズを装着すると、自然と撮影にも「ソノ気」が混ざる。
マウントタイプはいくつか選べるが、送っていただいたレンズはZマウントタイプだったので、僕はNikon Zfに装着してみた。ZfとこのAstrHori 120mm f2.8 MACRO 2Xのフォルムもまた、実に男の道具感があってカッコいい。
と、ロックだの男っぽいだの書いてるけど、写りのほうは実に艶かしく美しい。当然、2倍マクロの接写の迫力に驚くわけだが、単焦点レンズとしての基本性能が高く、ボケの美しさもなかなか絶品だ。カタログにある「ポートレートにも」という謳い文句もうなずける。
マニュアルフォーカスであることを心配する人もいると思うが、僕が使ってみた感覚としては、思っていたよりピント合わせも苦ではない。手持ちでも、だいたいの距離をピントリングて合わせたら、あとはじぶんの体をわずかに前後させて微妙なピントを合わせる方法で大丈夫だ。
三脚を使えばより心配いらずだけど、道すがらフレキシブルにマクロ撮影を楽しもうと思えば手持ちがやはり軽快だ。2倍マクロを手に秋の紅葉や冬の雪の結晶なんかを撮り歩く散歩レンズとしても魅力的な一本なんじゃないかな。
この性能で6万円ほどに収まった価格は、やはり中国製レンズのコスパの良さを物語る。まだ本格的なマクロ撮影は未体験という人なんかは、肉眼とは異なる迫力の2倍マクロの世界を、このレンズで体験してみるというのもアリだと思う。もちろん、普通に優秀な単焦点レンズとしての使い方も込みで。
僕は四季の移り変わりの微妙な変化を撮りたいので、秋から冬へと突入するこれからの季節に、もっといろいろ試してみたいと考えている。APS-CのNikon Zfcにもつけてみたいので。望遠の目と、マクロの目の、ユニークな世界。実に楽しみである。
◎マウントタイプは各メーカーなものが用意されているのでチェックを。