僕がFUJIFILMのXシリーズのカメラたちを好むのは、その原点であるXシリーズ初期の初代機たちの思想が気に入っていることが大きい。
なので、いまでもX100、X-Pro1、X-E1、X-T1という、それぞれの型番の初代機を現役で使っている。
もちろん、使用頻度としては現行機種を持ち出す機会が多いが、誤解を恐れずにいえば、モノとしての作り込みや撮影フィールについては初代機たちのほうが好きだったりする。
これは僕の写真の楽しみ方によるところが大きいけど、僕の場合はデジカメもフィルムカメラで撮るのと同じように写真機として使っているから、機能はシンプルで構わないし、それならいっそシンプルな初期の頃のXシリーズのほうが合っていたりするのだ。
描写については、カラーはいわゆる昔のセンサー的な彩度やコントラストも低く、白とびなんかもするけど、これとてモノクロで撮るとむしろフィルムっぽくてキュンとする。やはりこの時代の製品は、フィルムカメラの延長線上の思想が色濃いと感じるのだ。
最近のフジ機の価格の高騰は中古モデルにも及んでいるけど、以前より高値とはいえ、さすがに10年前の初代機なら一桁万円で手に入れられるし、それでいて見た目は現行機と区別がつかないような「永遠のクラシック」といったデザインだから古臭さもない。
たしかに壊れたら修理はむずかしいけど、それも含めて儚さというのかな、なにか歴史を刻む一瞬をカメラと過ごしているような気がして、それもまた時代の目撃者のようで悪くない。というか、僕はその感覚が気に入っている。(以下の動画はXシリーズ立ち上げ期の振り返り座談会です。興味のある人はぜひ)
根気よく探せば程度のいいモノはまだ隠れてる気がするし、長きにわたって大切に使い続けている人もけっこういると思うから、そういう人から譲ってもらえたりするとラッキーかもしれないね。
ファインダーもAFもちょっとおっとりしたところはあるけど、それがまた往年の写真機らしくてちょっとゾクゾクする。シャッターフィールについては、まさに写真機のそれなので、そういう時代の余韻みたいなものを楽しみたい人にはおすすめだ。
そんな富士フイルムもいまやグローバルを舞台にした先端ミラーレスを送り出すメーカーになったけど、だからこその原点の尊さも感じる。Xシリーズ初期のフジノンレンズやオールドレンズ、MFレンズをつけて、懐かしい風景を撮り歩くなんてのもなかなか素敵な過ごし方じゃないだろうか。
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