FUJIFILM X-Pro2, Nokton 23mm f1.2 SCこれはもう完全に愛用者の些細な好みの話ではあるのだけど、X-Pro2の艶やかなあの塗りが僕にはたまらないのである。
ライカでいえば、プラッククロームじゃなくてプラックペイントのほうの艶感、といえば少し雰囲気が伝わるだろうか。でも、こうしてタイトル写真なんかを見ても、その艶かしい輝きが分かるかもしれない。
僕はこの独特の塗りにとにかく惚れ惚れして、X-Pro2を手に入れたといっても過言ではない。
FUJIFILM X-Pro3当時、X-Pro1とX-Pro3(DRブラック)を使っていて、機材的にはまったく不足はなかったのだけど、時折立ち寄るなじみのカメラ屋さんのショーケースでX-Pro2の神々しい光り方を見るたびに、ずっと後ろ髪を引かれるようなじぶんがいた。
で、ある日、個体としても状態のいいX-Pro2と遭遇し、めでたく家に連れて帰ったのだ。
この独特の塗装は、ある意味、キズやスレもつきやすい。しかし、これがまたいい。僕のX-Pro2も角の部分は複数の箇所でスレが見られるし、上面などにも多少の掠れた感じがある。この使い込んだだけの年輪が刻まれる感じがX-Pro2の真骨頂でもあるのだ。
FUJIFILM X-Pro1, XF 35mm f1.4 R初代X-Pro1の時から半ツヤ塗装と呼ばれていた気がするけど、マットな感じのX-Pro1とは明らかに違うツヤをX-Pro2は放つ。何かで読んだけど、この塗装は製造段階でも塗装屋さんは「できれば受けたくない」と言わしめるものらしい。塗装面を寸分の狂いなく平面にしないと成立しないらしく、そこからして難解な塗装処理という話だったと思う。
X-Pro3はチタン外装にデュラテクト塗装が行われていて、これはX-Pro2とは真逆のようにとにかくキズがつきにくい。その分、手の跡などが表面に残るこれまた斬新なヴィンテージ感があるんだけど、いわゆる本物のキズやスレによるエイジングはX-Pro2のボディならでは、ということになる。
なんか塗りの良さのことしか話していないが、そのモノとしての出来の良さみたいな話は過去記事にも幾度も書いているので、そっちをご覧になってほしい。まあ、一言でいうと「ちょっとアナログ感のあるマイルドな挙動が気持ちいい」ということ。
FUJIFILM X-Pro2, Jupiter-8 50mm f2これもまたマニアックな話だけど、僕はクルマもちょっと古いものに乗っていて、まさしくその「マイルドな挙動」とニュアンスが似ている。利便性とか操作感の確実性みたいなものは最新機器が優れているとは思うものの、どこか人間的な甘さや隙が残る古い機械の作りがこれまたたまらないのだ。
僕はこの時代のFUJI機の作りが好きで、X-EシリーズもX-E3を使っている。最新のX-E5も良いんだろうなあと思いつつ、X-E3のちょっとマイルドで人間らしい挙動がやっぱり好きで、X-Pro2同様に相棒にしている。
X-Pro2については、さすがにいまではなかなか中古カメラ屋さんでも在庫を見かける機会は少ないかもしれないけど、遭遇したらぜひ手にとってその艶かしさを体感してみてほしい。いやあ、間違いなく欲しくなる罠でもあるんだけどね笑。幸せな罠だよ。


















































