FUJIFILM X-Pro2, TTArtisan AF 27mm f2.8もちろん、撮れる写真の描写、操作感も素晴らしいカメラなんだけど、そこに「愛着」という視点を加えると、僕は「塗り」と「シャッターフィール」の二点において、X-Pro2には特に心を鷲掴みされている。
塗りについてはタイトル写真を見てもらうと、なんとなく伝わるだろうか。この独特の艶は、フィルムカメラ時代のピアノブラックと呼ばれるような豊かな塗装を彷彿させる。この輝き具合は、お店のショーケースなんかで見かけると、照明の反射具合が神々しくて、誰もが思わず目を奪われる類のものだろう。
X-Pro2は前面ファインダーまわりの造形がけっこう細かい凹凸で構成されていたりするけど、そういう部分は当然スレやすく、それは塗装の剥がれやすさも意味するのだけど、それがかえってエイジング効果としていい。軍艦部のエッジも同様に、使い込むほどにスレが年輪のごとく刻まれていく。
FUJIFILM X-Pro2そういう意味では、いかにも「写真機」なのだ。使い込むほどに、いろんな時間と思い出がボディにも刻まれていく。フィルムカメラと過ごすような時間の経過がX-Pro2では体感することができる。別に写りに寄与することではないけど、愛着という意味ではとても重要な要素だと僕は思っている。
そして、シャッターフィール。これは言葉で表現するのはむずかしいが、現行のカメラたちと比べて、そこに人間味みたいなものが残っているといえばいいだろうか。こういうシャッター音は明らかに音色がチューニングされていると思う。使う人が、思わずその官能的なサウンドに「その気」にさせられる、そういう類のものだ。
X-Pro2もいまや古いカメラに位置付けられると思うが、むしろ年数を経て輝き続けることを想定して作られたような一台だから、いま使っていて「やっぱりいいな」と思わせる魅力がある。その後にX-Pro3が登場し、いまやX-Pro3も終売になって久しいが、いまだにX-Pro2を愛し続けている人は少なくないように思う。
FUJIFILM X-Pro2, TTArtisan-M 28mm f5.6細かいことを言うと、クラシックネガやREALA ACEなど最新のフィルムシミュレーションは使えないが、このカメラの性格的にシリアスな雰囲気でスナップシューターとして扱う姿が似合うから、その意味ではドキュメンタリータッチのクラシッククロームやACROSで撮るほうが似合っていたりする。僕はそう捉えて使っている。
まあ、あくまで与太話だけど、仮にいまこのX-Pro2が再販などで出てきたら、それはそれは好評を博すんじゃないだろうか。別に高画素じゃなくていいし、背面モニターだって固定で構わない。スチル撮影するためだけに特化したシンプルな写真機としてのX-Pro2復刻モデル的なね。いやあ、そんな妄想をするくらい傑作モデルと言っていいんじゃないだろうか。
僕は「趣味のカメラは、機能よりエモーション」と考えているけど、それを最も体現しているカメラのひとつだと。もし、運良くお店で遭遇したら、その生き物のようなエモーション具合を確かめてみていただきたい。きっと心を震わすものがあると思う。


















































