今朝はFUJIFILM X-Tシリーズの初代機であるX-T1にTTArtisanのAFレンズをつけて散歩してたんだけど、これがまったく古さを感じないというか、そういう年代のことを考えさえしないという感覚。
電気製品にあって、これはなかなか驚愕的なことだなと思う。
まず、デザインが古くなるどころか、普遍的だし、なんなら最近のレトロデザインブームが追いついてきたみたいなところがある。見た目だけじゃなくて、その使用感も写真機としては不満を感じないレベルだから、10年前に富士フイルムが挑んだプロユース機領域への挑戦は、その「質」への対応としては成功だったんだと思う。
どうかしたら、最新のX-T5とも10年間の歳月ほどは差を感じないとすら思うから、これはなかなかのもんである。
全体的に「丸み」があるのが人間らしくていいのもあるかもしれない。それはデザイン上の「丸み」という意味だけじゃなくて、触った手触りとしての丸みであり、スイッチやダイヤル類、各種ボタン類のレスポンスなど、どれも現代機よりは「丸み」があって頭と体によく馴染む。
それでなくても現代はハイテク機器に囲まれて、どこかロボット的な感覚に包まれる毎日だから、むしろこうした人間らしさみたいな半アナログな感覚が心地いいのだろう。カメラの場合は「写真」というノスタルジックなものをこしらえる道具だから、なおさらアナログ感が残る感触がよく似合う。
昨日は、やはり初代機のひとつであるX-E1を持ち出していたんだけど、こちらはX-T1と比べるとずいぶんカジュアルな感覚にはなるんだけど、それでもシャッターフィールひとつとっても味があるし、なんといっても初代X-Trans CMOSセンサーのやさしい写りが目にもやさしい。
そう、「写真」の場合は、古さは決してマイナス要因ではないのだ。むしろ、感覚的には現代機よりも好ましいくらい。それはなにもフィルム機までさかのぼらなくても、デジタルでも少し懐かしい製品なら十二分に感じとることができるのがおもしろい。
FUJIFILM X-T1に話を戻すと、世の中的に品薄で旧製品の中古アイテムでも比較的高価になっているフジ機のなかで、このX-T1は比較的安いものを見つけられる製品な気がする。もちろん故障するとなかなか直せないという古い製品のリスクはあるけど、僕の感覚的にはそれほど連日酷使しなければ、そう壊れるものでもない。
X-T1はそうした堅牢性も感じるし(Xシリーズ初の防塵防滴仕様品)、初代機の中でもセンサーなどは第二世代へとチェンジされているんで、写りもかなりモダンだ。使っていても、なにより持ち歩いていてもそこに古めかしさはまったく感じない。
それこそオールドレンズや比較的安価な中国製レンズなんかを楽しむボディとしてはうってつけだろう。
まあ、なかなか見かけないという希少性の問題はあるけど、程度のいいモノを見かけたらそれはラッキーというか運命だと思って手にするのもアリなんじゃないかと、いまX-T1を使っているユーザーのひとりとして思う。
ちょっと執念がこもったプロダクトというのは、そう簡単には年数でへたったりはしないのである。そういうプロダクトの証のような製品が、このX-T1。運良く見かけたら、ぜひその変わらない「質」なるものを確認してみてほしい。ちょっと感動的ですらあると思う。
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