昨日のブログに、10年の歳月を経て富士フイルムXシリーズの初代機のひとつ〈X-T1〉を手に入れたことを書いたけど、今朝は早速試し撮りしてみようと散歩へ連れ出してみた。
その感想を一言でいうと、タイトルに書いた通り「とにかく、素晴らしかった」という言葉に尽きる。
僕のX-T1は特別色のグラファイトシルバーということもあって、まずもってその佇まいが素晴らしい。いわゆるシルバーと比べると少し深みのあるシルバーグレーのような鈍い輝きが、少し赤みを帯びた朝陽色とまじわってなんともいえない艶を見せる。まずこれに心打たれた。
そして、首からぶら下げていてもわかるくらい小さく、薄く、軽い。ミディアムクラスの軽快なフィルム一眼レフを持ち歩いてるような感覚で、このX-Tシリーズがただデザインだけがクラシックじゃないことを強く感じる。これがXシリーズの「思想」なんだと。
操作性も抜群だ。各種ダイヤルの小気味いい動き、少し丸みを帯びた手に馴染むラウンドフォルム、しっかりと剛性感を感じるチルト式モニターなど、どれをとっても「作りが違う」という満足感がある。
ファインダーも広大だ。当時、先行していたX-Pro1はOVFを備えて趣味性が高かったのに対して、このX-T1はプロユースを意識して作られているんで、どれをとっても「ちょっと他の初代機とはモノが違う」ということを明確に僕に伝えてくる。
肝心の写りのほうも、他の初代機とは明らかに「違う」。X-Trans CMOSと画像処理エンジンともに二世代目に載せ替えられていて、それまでのX-Pro1などの描写と比べると間違いなく「リッチ」だ。そして、そのリッチな画質の高さをEVFでも背面モニターでもしっかり感じとれる。
いや、実は僕は以前、X-T2を使っていたんだけど、X-T1のすべてをリファインしたと言われたX-T2の作りと描写はほんと素晴らしくて驚いたけど、いやいや、「そもそもX-T1からして、そのポテンシャルの高さが尋常じゃなかった」ということが、きょう使ってみてはっきりわかったのだ。
Xシリーズ10周年の時の開発秘話動画のなかで、開発陣の方々が最も印象深いモデルはX-T1と言っていたけど、その目指した頂の高さと困難の深さは当時の富士フイルムとしてはとんでもないチャレンジングなことだったのだろうと、X-T1を実際に使ってみて感じるのである。
写真機としては、おそらくほとんどの人がまったく不満を感じずに現在でも使えるんじゃないだろうか。少なくとも僕はそれくらい感動した仕上がりだ。ちょっと時代感覚がおかしくなるくらい、いまだにモダンに普通に使える名機、それがX-T1なのだ。
いや、ほんとにびっくりした。これは間違いなくオーバークオリティのプロダクトのひとつじゃないだろうか。少し大袈裟に聞こえるかもしれないが、僕からはまったく不満が感じられなかったことをお伝えして、きょうのブログとしたい。
もっとこれからたくさん撮って、またおいおい続きの使用感とか撮れた写真はお伝えしていきたいと思う。
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