FUJIFILM X-Pro1

その夢は、X-Pro1にぜんぶ詰まってる。

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FUJIFILM X-Pro1, XF 18/2 R

もう10年以上前のカメラになるけど、いまだに僕の日常の中では現役の一台、FUJIFILM X-Pro1。発売した頃は、僕はまだ写真やカメラを趣味にしていなかったから当時のX-Pro1評はちょっと分からない。

でも、開発者の方々の当時の話を聞くと、お世辞にも成功したとは言えない滑り出しだったらしい。それまでコンデジばかりを送り出していた富士フイルムにとって初となるレンズ交換式のシステムカメラ。要求の高いハイアマチュアファンの市場への船出はそう簡単ではなかったのである。

その最たる苦戦要因はAFスピードをはじめとするレスポンスの鈍さだったと思うのだけど、実は現在、そのもたつき感は度重なるファームウェアのアップデートで驚くほど改善されている。富士フイルムの開発陣いわく「別物」と思えるほどブラッシュアップしたと言う。

もはや、執念なんだろうね。世に送り出した富士フイルムの夢の塊のようなXマウント初代機のX-Pro1。そこに期待を寄せて手にしてくれたファンたちに対して、なんとか高い満足感を提供したい。そして、富士フイルムがめざした世界を体現したい。

そうやって長い年月を経て磨き上げられたX-Pro1は、いま使っても遜色ないクオリティに至っているわけである。僕がX-Pro1を使って不満を感じないのは、なにも懐古主義ではなく、それだけの実力が備わっているのだ。

ハイブリッドビューファインダー、美しい塗装、間違いなくこだわりのチューニングがなされた独特のシャッターフィール。このカメラを使っていると、開発陣たちのこだわりようがジワジワと伝わってくる。それがなにより心地いい。

近年ちょっと中古価格が高騰してしまっているX-Pro1だけど、個人的にはその価値が世の中にようやく評価されてきたような気がして、より愛おしく思えてきている。

このカメラにあるのは古さじゃない。フィルムとフィルムカメラで撮ることが好きだった人たちが、その夢みたいなものを込めた「カメラらしさ」だ。世の中に新製品が出れば出るほど際立つ、そのオリジナリティ。いいカメラとは古びないのである。

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