
星型やハート型のボケが楽しめるレンズを送り出して話題となったSG-imageが、その後いろんな新型レンズを投入し続けている。直近ではMFの明るいレンズとして、SG-image 50mm f1.4とSG-image 35mm f1.2が登場しているが、今回は後者の35mmタイプの試写用レンズを2ndfocusさんから送っていただいたので、その感想などをお届けしたいと思う。
このレンズの最大の特徴は、APS-C用ゆえのその軽量コンパクトさと、一万円台という破格の手に入れやすさだろう。
僕はFUJIFILM機向けのXマウント版をチョイスしたので、所有のFUJIFILM X-T50、X-T5、X-Pro2などに装着してみたが、いずれも写真機らしいフォルムで実にカッコいい。スナップ用カメラには、やっぱり小型の単焦点レンズが良く似合う。




焦点距離35mmというと、フルサイズ換算では50mmちょいの標準画角ということになり、まさにAPS-C機のど真ん中の世界。そこで絞り開放値f1.2という相当な明るさを持つこのレンズは、かなり遊びがいがあることは想像いただけるだろう。
実際、使ってみても「遊べるレンズ」というのを実感する。逆光耐性などは高くなく角度によっては盛大にフレアも出るが、それはオールドレンズなどを使い慣れた人には「よし、どうやって料理してやろうか」と気分を燃えさせることだろう。




当然、その滲み加減は独特で、いかにもオールドレンズライクな描写はファインダー内の描写も、背面モニターの描写も思わずニヤリとできるおもしろさがある。そんな描写を開放f1.2で味わえるのだから、楽しくないわけがない。
近ごろの中国製レンズはAFタイプも増えて、その描写とかなりお利口なモノが多い傾向にあるけど、こうしてある程度収差の残る描写をちょっとねじ伏せるように楽しむスナップは、趣味のレンズとしてはやっぱり楽しみがいがある。純正レンズの端正な写りもいいが、安くかつ遊べるサードパーティ製レンズのある意味醍醐味だろう。




標準域のレンズは誰しも一本は持っていることと思うが、マニュアルフォーカスで、かつf1.2という明るさのレンズは、遊び感覚的にも暗所対応的にも一本持っていて損はない。それが一万円台で手に入れられるとなればなおさらだ。ちょっとラフに使い倒したいレンズを別途持っておきたい人にもおすすめだと思う。
僕もまだまだ試し撮りを始めたばかりだから、もっとその遊べるポテンシャルをいろいろと試してみたいところ。こうなると、より安く設定されたSG-image 50mm f1.4の中望遠域の描写も気になるところだが、まずは標準域のこのレンズを街中にも連れ出したいと考えているところだ。




FUJIFILM X-Pro3に装着して少し絞って撮ってみた写真もいくつか貼っておくので、参考まで。開放の独特の滲みやザワザワ感が気になるという人は、少し絞って撮ってやると、また違った楽しみが得られると思う。あと、無限遠がかなり手前で出るオーバーインフな気がしたので、個体差かもしれないけど補足まで。




それにしても、中国製の単焦点レンズの新製品投入が各社から矢継ぎ早で、実におもしろい状況になっている。まだ中国製レンズを試したことがないという人も、この機会にためしに一本、レパートリーに加えてみるのはどうだろう。なかなか新鮮な発見があるはずだ。(引き続き、開放だったり絞ったりで撮った写真はSNSにポストしてるので、よかったらそちらもどうぞ)
◉マウントも各種選べるので、スペック同様、2ndfocusさんの公式サイトでチェックしてもらえたらと思う。保証もついているので購入後もなにかと安心だ。