朝のうちは雪が舞っていた土曜日だけど、午後から太陽が出てきて、風は強く冷たいものの、窓の外を見ると異常にシャッターが切りたくなる。
眼鏡付きズマロンとライカメーターをつけたLeica M3の試し撮りもすすめたくて、ひとまず部屋の窓を開けて青空を2枚ほどシャッター切ったんだけど、そうするともう我慢できず、少し辺りを散歩カメラすることにした。
まだ試し撮り中なんでいちおう予備のフィルムを一本鞄に忍ばせたものの、とりあえずフィルム機だけだとアレだと思い、サブカメラ的にミラーレスのNikon Z fcを一緒に持ち出すことにした。
こうして「フィルムとデジタル」とか「35mmと50mm」とか「135と120」とか、なにかと撮影機材にバリエーションがあれば安心と二台体制で出かけることがあるが、これが結局一台しか使わないことがほとんどなのである。
僕だけかなあ。一台目のカメラで撮り始めると、だんだんとエンジンがあったまってくるように調子があがってきて、結局そのままそのカメラで撮り続けたいと思い始めるのだ。
例えば作品撮りなんかで明らかに機材の異なるカットを撮りたい人なんかの場合は、二台とは言わずもっと多くの機材を持ち出して、きちんといくつかの機材を使い切ると思うんだけど、僕のようにスナップを楽しむ人間にとっては、バリエーションよりリズムのほうが重要なのだ。
撮り始めからだんだんと調子に乗ってきたそのリズムのままずっと撮り続けたいという、そんな撮り方とか楽しみ方の場合、つまるところ「出かける時のカメラは一台」が潔いのである。荷物も軽くなるし、機材チェンジなど考える必要もないから脳みそもシンプルだ。
それはレンズにも言えて、交換レンズを持ち出すと妙に「せっかく持ってきたのだから、そっちも使わないと」と変に気を回さないといけなかったりする。であるなら、レンズも交換のしようがない一本を付けっぱなしのほうがシンプルだ。
なんでもそうだけど、制約があるほうが、その中で工夫を楽しむような思考が動き出し、結果深みが出てくるのである。なんでもかんでもセーフティな予備的装備であることは、ことスナップにおいては重みでしかないと、あらためて気づいたりするわけである。
何度もこういうことを再認識するのに、また同じように二台以上のカメラを持ち出す僕も学習してないなあ、と笑。まあ、あくまでこれは僕の場合の考え方なので、すべての人に当てはまる話ではない。
けれど、スナップの場合、軽装であることはもう一歩を踏み出すうえで何より重要だったりもする。一台でも多くのサブ機を持ち出すより、一枚でも多くの写真を撮ることのほうがたいせつだ。ということで、きょうは「出かける時は、カメラ(レンズ)は一台で」という自戒を込めた話を備忘録的に書いてみた。みなさんはどうだろう。
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