カメラへの思い

カメラのダイヤルをカチャカチャやりながら、マニュアルで撮り歩くたのしみ。

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Nikon Zf

きのうフィルムライカM3をゴソゴソと触っていたこともあり、今朝はデジタルとはいえ「マニュアル露出」で撮ろうと思い立ち、ご覧の通りNikon Zfを散歩に連れ出した。

ふだんは比較的、絞り優先モードで撮ることが多い。それはやっぱり楽チンだから。でも、たまにこうしてマニュアルモードで撮ると、体感露出の感覚を蘇らせたりキープさせたりするのにいい。

今回の場合は、フィルムライカM3の露出計ライカメーターを昨日取り外して体感露出仕様にしたので、M3で撮ることに備えてデジカメで体感露出の予行練習をしていたわけだ。

FUJIFILM X-T5, XF 23mm f1.4 R

まあ、もともと僕の場合は面倒くさがりで、フィルムカメラをメインで撮っていた頃もほとんどが体感露出。露出計をいちいち見たりするのが面倒くさいのだ笑。

機械式カメラでも電池を入れて動かす露出計がついているものもあるが、それでも僕は露出計は使わず体感で露出をセットしていた。まあ、古い露出計の数値を信じていないこともあるのだけど、電池を入れることすら面倒なので笑。

それでもラティチュードの広いネガフィルムなら、二段程度なら露出値がズレていても現像段階でラボがなんとかしてくれ、普通に写真に仕上げてくれる。体感露出でも、まあ大抵は誰でも問題ないのだ。

FUJIFILM X-Pro3, Nokton 23mm f1.2 SC

デジカメで体感露出となると、俄然シビアになる。そう、感覚的にはラティチュードの狭いリバーサル(ポジ)フィルムで撮るときの、あのシビアな露出だ。フィルムカメラで撮る時も、リバーサルフィルムを使う時は露出計に優れたNikon F6を多用していた。

けれど、そのリバーサルフィルムのシビアな感覚を思い出すようなところが、デジカメでマニュアル撮影する楽しみだったりする。

マニュアル撮影モード自体はどのデジカメでもできるが、そこはやっぱりシャッタースピードダイヤルのあるクラシックなデザインのカメラが操作しやすい。

Nikon Zfc, XF 18mm f2R

僕の場合の要領は、フィルムカメラで撮る時と基本いっしょだ。まず感度を決める。僕の体感露出はISO100のフィルム感度で培ったものが基本で、そこからISO200やISO400の場合、段数を足し引きしていく感じ。フィルム経験上でいうと、ISO800、ISO1600までなら、なんとなく露出数字はイメージできる。

感度を決めたら撮影モードも同時に選ぶ。このプロセスが「きょうのフィルムを選ぶ」という感覚だ。測光はちなみに中央重点測光にすることが多いかな。これもフィルムカメラの名残で。ホワイトバランスは、大抵いつもDaylight(太陽光)。これもフィルムは基本Daylightなので、デジカメも変なオートバランスにするよりDaylightが感覚がつかみやすいし、機械的に色を足さない自然な感じがする。

で、絞りリングのあるレンズをチョイスして、歩きながら撮りたい方向の明るさやボケの具合をイメージして絞り値をカチャカチャとセットする。それに合わせてこれだろうと思われるシャッタースピードをカチャカチャとセットする。まだファインダーはのぞかず、歩きながら眼下のウエストレベルで露出をまず合わせる。

Nikon Z fc, Viltrox AF 56/1.4 Z

それがすべて整ってから、カメラを目の前に構えてファインダーをようやくのぞく。そうすると、EVFに僕が体感露出でセットした数値が正解だったかどうかが、実際に撮れる画像として出てくるのだ。

大きくはずすことはないが、ちょい明るすぎや暗すぎるは日常茶飯事だから慌てることはない。その画像を見て、ちょい絞ろうかとか、ちょいシャッタースピードを上げようかとか、手元でちょいちょいとダイヤルを調整すればいいのだ。

そう、フィルムカメラで一段ずつずらして保険的に数枚シャッターを切っていた、あの感覚だ。そして、それこそが露出当てゲームのようで実に楽しかったりするのだ。

FUJIFILM X-T50, XF 35mm f1.4 R

僕がEVFよりOVFのカメラを好むのは、これが理由だったりもして、OVFすなわちただのガラスのファインダーをのぞくなら、ファインダーをのぞいた段階でもまだ露出が合っているかどうかは分からない。ただただ、目の前の光景がファインダーの中にそのまま見えてるわけだから、「露出よ、当たれ!」と念じながらシャッターを切るのである。

そうすると、ようやく背面モニターに撮れた画像が現れる。ここで、露出が合っていたかどうか答え合わせとなるわけである。もっといえば、ここで背面モニターをオフにしたり、または背面モニターがないLeica M-D系やFUJIFILM X-Pro3を使えば、帰宅してデータをつなぐまで撮れた写真の露出が合っているかどうかは分からない。

いいでしょ、帰宅してからプチ現像受け取りみたいなプロセスになるわけで、これはもうほとんどフィルムカメラのあの所作と同じなわけで、まあ懐かしかったり奥深かったりでなんとも楽しいのだ。

FUJIFILM X-E1, Nokton 23mm f1.2 SC

まあ、この段階で露出をはずしていたとしても、ちょっとデジタル的に明るく調整すれば、これもまた大失敗なんてことを考えずに、気軽にフィルムライクな撮影プロセスを体験できる。フィルム代も現像代もかからずである。ここはやはりデジカメの大メリットなのだ。

もちろん、撮れる写真の描写はフィルムとは異なるし、速写を優先するなら絞り優先オートなんかで撮影したほうが便利だ。でも、フィルムライカでそれこそ歩きながら露出を決めてダイヤルをセットし、なんなら距離も目測固定で僕らはストリートで速写していたわけだから、マニュアル撮影でも速写はその人の撮り方次第だ。

なので、僕はM型デジタルライカでもマニュアル撮影をよくするし、FUJIFILM X-Pro3もまさにマニュアル撮影が楽しみたくて使い続けているところがある。一眼レフを好むのも、光学ファインダーゆえにこうした感覚で撮影が楽しめるからだ。

Nikon Zf

長々と書いたけど、フィルム時代から撮り続けている人にはおなじみの感覚。きょうは写真をデジカメで始めたという人で、ふだんはマニュアル撮影をほぼしたことがないという人向けに、少しプロセスを書いてみた。

ぜひ一度、試してみてほしい。案外ハマると思うなあ、その大地の光と対峙する露出当てゲームのおもしろさを。

◎いったん、ざっと書いたので誤字などあったら申し訳ない。おいおい修正などしていくので。



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