購入した直後にも同じようなブログを書いたのだけど、今朝も散歩に連れ出していて、やっぱりいいなあと思ったので、懲りずに再び書いている。
フォクトレンダーから夏頃に発売になった、新しいカラースコパー50のことである。
このレンズの最大の売りはそのコンパクトさにあると思うけど、僕はそれと同じかそれ以上に、このカラスコ50の描写が好きである。
その秘密は、このコンパクトと明るさを同居させるために設定したであろう「f2.2」という細かく刻まれた絞り開放値と、非球面レンズを使用していない作りにあるのだろう。
開放値については、僕の感覚ではズミクロンの「f2.0」と同様のボケ感があり、その「0.2」という差は正直まったく感じない。それでいて、ズミルックスほどは開放のボケ感も主張しすぎず、それこそ目で見た感じのナチュラルなボケが実に心地いい。
非球面レンズのように精巧すぎないナチュラルさも効いてるんじゃないかと思うけど、レンズ構成やその性質や語る知識も僕にはないので、あくまでも感覚的な話で恐縮だが。
開放では周辺減光も割とあるのだけど、これもナチュラルなものに思えて、個人的にはむしろ好み。とはいえ、発色は現代的なレンズらしくとても良いと感じていて、総合すると日常スナップの描写を自然体で楽しみたい僕のような人間には、とてもフィットすると感じている。
たぶん、Leica M typ240のフィルムモード〈スムース〉の発色にも合ってるんだと思う。このあたりの点は、SIGMA fpやNikon Zfなど他のミラーレス機にも装着して確かめてみたいが、そもそもこのコンパクトさはM型ライカ用に用意されたものだろうから、やはりライカに最もフィットするのだろう。
このレンズを一度使い始めると、そのバランス感がとにかく最高で、近所の散歩から街中のストリートスナップまで、おそらくこのレンズをつけっぱなしにする人がほとんどじゃないかと思える。レンズ交換がライカのひとつの楽しみだが、それもひと段落すると、こうしたつけっぱなしの常用レンズ一本生活にたどり着く。そんな風に思えるレンズだ。
重量も135gとCP+の参考出品時よりさらにダイエットされ、ブラックタイプは往年のズミルックスかのようにマウント部にシルバーのリングが施された。これもちょっとしたアクセントになっていて僕は気に入っている。
いわゆる「さりげなさ」という言葉がまさにしっくりくる、こんどのカラスコ50。僕的には、たぶんもうMマウントの50mmレンズを買い足すことはないだろうと思ってる。そんなふうに思わせる「つまるところ、このバランスに秀でた一本」というような、僕にとってはいわばアガリのレンズ。
大きさや重さを考えることを忘れさせてくれるこのレンズによって、知らず知らずのうちにうちにライカを持ち出す機会が増えるんじゃないかな。いまのところ、僕の中の「レンズ・オブ・ザ・イヤー」である。言い過ぎかな笑
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