いわゆる中判デジタルと呼ばれるFUJIFILMのGFXシリーズだが、ミラーレス機なのでマウントアダプターを介してさまざまなオールドレンズやMFレンズを楽しんでいる人も多い。
フルサイズ用カメラのレンズが、ものによってはイメージサークルがけっこう大きくて、フルサイズにクロップしなくてもそのまま44×33センサーで使えるためだ。
僕もこれまで愛用のPENTAX機のFA Limitedレンズなどを装着して楽しんできたが、今回ついにというか、オールドレンズのド定番と言っていいスーパータクマー〈Super Takumar 55mm f1.8〉を装着してみた。
すでにこの組合せで楽しんでる人がたくさんいて、そんな人たちが「スーパータクマーならGFXでもケラれない」とよくツイートされてたりしたので、常に気になる存在だったのだけど、やっとというか僕も試すに至ったのだ。
装着したフォルムがまず良い。レンズ部がスーパータクマーになるだけで、GFXのボディまでがどこかクラシックに思えてくるから不思議だ。
僕はもともとKマウントをGマウント変換するアダプターを持っていたので、そこにM42マウントレンズを装着するための〈マウントアダプターK〉をさらに噛ませてある。
描写のほうもご機嫌だ。そもそも富士フイルムのフィルムシミュレーションは、フィルム時代のオールドレンズの描写とも相性がいい。スーパータクマーはAPS-CのX-T5にも装着してクラシックネガで撮っていたのだけど、そこにさらに中判の空気感のような立体感を味わうことができる。
撮り始めてすぐ、EVFや背面モニターに映し出される絵を見て、「あゝ、これはハマる人、多いだろう」と納得した。絞り開放で撮った時の滲みの抑揚や奥行き感の大きさが目に見えて楽しいのだ。これぞオールドレンズ!といった感じだろう。
仕事で使う人がいるかどうかは分からないが、趣味の写真であればこれは間違いなく満足感は高い。なにしろ一万円もしないほどの価格で手に入るレンズで、フィルム時代の感覚とともに中判らしさまで堪能できるのだから、ふだんフジノン純正レンズを使っている人でもたまの息抜きに一本持っておいて損はない。
というか、スーパータクマーは基本、どのミラーレス機でも楽しめる定番オールドレンズだから、そういう意味でもコスパは優秀。僕もなぜいままで試していなかったんだろうと思ったから笑
この描写の世界は、なにも一億画素は必要としないから、5000万画素系のGFXで十分だし、GFX初期の50Sや50Rで楽しんでいる人も多い。スーパータクマーなら重量も軽いから、スナップ機として振り回すのも全然アリだろう。
考えてみると、僕も最近は、富士フイルムのカメラを持ち出す頻度としては、XシリーズよりもGFXのほうが多いかもしれない。Mitakonのあの超重いレンズをつけても持ち出すくらいだから、この鼻先の軽いスーパータクマーなら、もはやフルサイズ感覚だ。
フルサイズセンサーの1.7倍もの大きなセンサーで光をふんだんにとりこむGFXと、いかにもオールドレンズ的なゆらぎの世界の融合はなかなかクセになる。まだ、この組合せを試していない人には、「これぞオールドレンズとミラーレスの世界」ということで推しておきたいと思う。
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