まずもって、このPENTAX K10DとDA Macro Limitedの組合せがなかなか精悍な見た目をしていてゾクゾクする。
ギュッと締まった黒い塊のような印象があるのは、ふだん装着しているバッテリーグリップを外していることもある。
僕のK10Dはカメラグランプリ受賞を記念して発売されたK10D グランプリパッケージというもので、写真では分かりにくいが貼り革がブラウンでそれと同色のバッテリーグリップがセットになっている。ふだんはバッテリーグリップ有りで使っているのだ。
このK10DはPENTAXのAPS-C機が小型化される前のものなので、横幅がかなり大きい。現行のフルサイズ機K-1よりも横幅は大きいため、バッテリーグリップを外すとそのワイドさも強調され、どしっとした印象が増すのだ。
そこに鏡筒が細身のHD DA 35mm f2.8 Macro Limitedを装着すると、色がブラックなこともあって、さらにギュッと締まった印象になる。なかなかたまらない。
このマクロレンズは、まさに梅雨の水滴や湿った草花を撮るために手に入れたものでもあるので、雨のあがった日曜日の朝、この組み合わせで散歩カメラを楽しむとした。
以下は、そのマクロレンズで撮影した写真だけをザッと貼っておきたいと思う。多少ピントは甘いが、描写の雰囲気は掴めてもらえるのではないだろうか。
撮影はほぼ絞り開放、カスタムイメージは「鮮やか」。ちなみにこの時代は「ナチュラル」と「鮮やか」の2種類しか撮影モードは存在しない。モノクロにしたい場合は、撮影後にカメラ内のデジタルフィルターで変換が可能だ。
ご覧の通り、マクロレンズとはいえ普通に単焦点レンズとしても優秀で、よく言われるのは「寄れる単焦点」という解釈がいちばんしっくりくるということ。フルサイズ換算で約50mm程度の画角になるため、こうした散歩にも使い勝手がいい。
僕はFA Limitedレンズシリーズの3本が好きだけど、マクロまでこれ一本でということであればHD DA 35mm Macro LimitedがAPS-C機としては究極の単焦点レンズかもしれない。
いわゆるCCD機時代らしいポジフィルム的なウェットな色のりが、梅雨時の青々とした緑や花に合っていて、雨さえ気にしなければこのボディとレンズの組み合わせは実に楽しい。
K10Dはいまでは破格で手に入るし、マクロレンズのほうも比較的手にしやすい価格帯なので、「虫眼鏡的スナップ」を試してみるのはいかがだろう。想像以上になかなか神秘的な世界を垣間見ることができると思う。
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