日曜日の朝は、PEN-Fのレンズをオートフォーカスのパンケーキズームから〈マニュアルフォーカスのVoigtlander Color-Skopar 35mm f/2.5 C-type〉に付け替えて散歩カメラへ出かけてきた。やっぱり、おもしろいんだなあ、マニュアルフォーカスのレンズのほうが。
街中で速写する時は、オートフォーカスで、かつズームが使えると、ある意味何も考えずに画角だけ考えて瞬時にシャッターが切れるレンズは利便性に富む。やっぱり周囲にたくさんの人が往来してるからね、なかなかここでじっくりカメラを構えて撮ることはむずかしい。もちろんマニュアルフォーカスのレンズで撮ることもあるけど、そんな時は大抵予め距離を決めて目測的撮影がほとんとだ。
けれど、そんな雑踏を離れて郊外で過ごす週末は、辺りにはほとんど人もいないし、何より遠景でパンフォーカスで撮って絵になるような光景も広がっていない。こんな場所では、カメラと対峙する時間を楽しみたい。その際たる楽しみがマニュアルフォーカスだ。
考えてみると、カメラを撮る人のイメージというのは、幼い頃からレンズ部に手を当ててクリックリッとレンズを回転させながら撮る人の印象が強い。そう、あのピントを合わせる行為がまずカメラらしいのだ。カメラを両手で構えて撮るというのは、カメラを支えることだけじゃなくて、物理的にレンズを操作するからレンズ部に左手が行くんだよね。で、ファインダーの中で撮りたい空気がフォーカスされていく様子は実に興味深い。これこそ、カメラの醍醐味だなと。
多少ピントが甘くなるのもまたいいんだよね。機械なら正確にピントを掴むところを、人間がやる作業だから時にちょっと甘くなったりする。でも、このブレてるのが生きてる証拠というか、とても人間らしい行為だと思うんだ。
僕の場合は、このフォクトレンダーのカラースコパー・クラシックタイプをチョイスすることが多い。F2.5だけどけっこうボケも使えるし、何より見た目がカッコいい。クラシカルなフォルムのPEN-Fには、この細身のレンズが実によく似合う。同じレンズ交換式のコンパクト機であるFUJIFILM X-E3にもよく装着するんだけど、PEN-Fにもこうして付け替えることが多いんで、最近はこの同じカラスコか、F4のスナップショットスコパーを再購入しようかとも考えている。
そういえば昨日、PEN-Fが登場した2016年頃に書かれたオリンパス開発陣の人たちの声を拾った記事を見つけた。読んでみると、これは僕が惹かれる筈だと思えるポイントが山のようにあった。こういうポリシーとかコンセプトを知ると、なおさらレンズもクラシカルなマニュアルフォーカスレンズで撮りたいと思うところがあった。
「熱狂的なクラシックカメラのファンにターゲットを絞ったデザインができないか」…確かに僕はハートを撃ち抜かれた:)
メーカー直撃インタビュー:伊達淳一の技術のフカボリ!:OLYMPUS PEN-F – デジカメ Watch Watch https://t.co/rxu1vE1Zav
— 記憶カメラ (@KiokuCamera) March 13, 2020
そんなマニュアル的な楽しみと、このコンパクトボディな楽しみを兼ね備えたレンズとして、昨夜ボディキャップレンズも注文してみた。以前は換算16mmの超広角フィッシュアイタイプを使ってたんだけど、今度はせっかくだから換算30mmの実用的広角レンズにしてみようかと。現行AFレンズとかつてのMFレンズの中間のようなレンズだと勝手に思っていて、このレンズが手元に届いたら、僕の平日と週末のレンズ利用はどんなスタイルになるのか、じぶんでもちょっと楽しみなんだよね。世はレンズ一体型のFUJIFILM X100Vが人気だけど、やっぱりレンズ交換式カメラは楽しいんだよね、僕には。