FUJIFILM X-E5, XF 35mm f1.4 R数日前、なじみのお店にX-E5の新品在庫があると聞いてちょっと取り置きをお願いしていたのだけど、案の定というか、めでたく購入するに至った。いつかはお店で巡り会うだろうと思い、特に発売日に予約なんかもしていなかったのだけど、これも縁というものだろう。
でも、X-E5を予約していなかったのはそれなりに理由もあった。同じセンサーやプロセッサーを積んだX-T5やX-T50をすでに所有していたからだ。加えて、X-Eシリーズについては今年、X-E3を買い直したこともある。こんな僕には、普通に考えればX-E5は必要ないのである。
でも、僕の場合はカメラなど機材に対して「描写性能」だけを求めているわけじゃなく、そこに撮影体験や所有する歓びのようなものも求めている。いや、そっちのほうが趣味の時間の気分を高める要素としては大きいかもしれない。
加えて僕はけっこうFUJIFILMフリークでもある。FUJIFILMの製品をコレクションしているとかではまったく無いが、気になるカメラをその都度チョイスしていった結果、デジカメはFUJI機がもっとも所有台数が多くなった、ということなんだけど。
X-E5は、この公式プロモーションムービーにあるように、まさにクラシックなカメラへの郷愁や憧れをコンセプトにしたように、現代に製品化された写真機だ。たしかに性能面やスペックでは所有しているX-T50とほぼ同じわけだが、そこには紛れもなくX-E5らしさが形作られている。
そして、なにより僕が歴代すべての機種を愛用してきたX-Eシリーズの血統が流れている。購入しない理由はいくらでもあったのだけど、これらがすべて結集して、今回手にする筋書きへとつながった。
FUJIFILM X-E5
FUJIFILM X-E5 Black bodyアルミ削り出しとか、フィルムシミュレーションダイヤルとかは、正直それほど僕の心を動かした要素ではない。もちろん精巧かつ品質を高めてブラッシュアップされてるなとは感じるけど、外に持ち出して試し撮りしてみりと、これは明らかにX-Eシリーズだと感じる。
言われるほど重くもないし、シャッターフィールなんかも明らかにX-E3やX-E4を思わせる感触だと僕は思う。それが良いことか悪いことかとかじゃなく、X-E1からX-E4まで使い続けてきた人間として、どこかホッとする世界がそこには存在するのだ。
FUJIFILM X-T50 & X-E5そういう意味では、すでにX-Eシリーズを愛用している人なんかは、物理的には必ずしもX-E5に買い替えなくても僕はいいんじゃないかと思う。もちろん、高画素機が良いとか、アルミ削り出しの工芸品的な仕上げが良いとか、X-E5ならではの明確な「質」を求めるなら別だけど、「別次元のカメラになった」というほどではない気もする。
FUJIFILM X-E5, XF 35mm f1.4 R
FUJIFILM X-E5, XF 35mm f1.4 R
FUJIFILM X-E5, XF 35mm f1.4 R
FUJIFILM X-E5, XF 35mm f1.4 R一方で、これまでFUJIFILMのカメラやX-Eシリーズを使ったことがないという人には、断然おすすめの一台になる。X100シリーズともX-Proシリーズとも違う、そしてX-Tシリーズとも異なる独特のスナップシューターの世界がX-Eシリーズにはある。その最新型であり、手ぶれ補正まで載ったX-E5は、日常に寄り添うスナップ写真機として、なんとも言えない歓びをもたらしてくれるだろう。
値段的にはどうかしたらフルサイズ機が買えるゾーンに位置していて、それがたしかに心理的な障壁になるとは思う。だって、前機種までは半額ほどで手に入れられたエントリー機的でありサブ機的存在だったから。
FUJIFILM X-E5, XF 35mm f1.4 Rでも、それからすると最新のX-Eシリーズはもう少し愛着としての密度があがったというか、軽快なスナップ機でありながら、ちょっと人生に作用するような「質」がこのカメラにはある。「X-E5と明日を暮らす」みたいなカメラを求めている人には、とてもいい相棒であり道具になるんじゃないかと思う。
まあ、まだ使い始めだから、もっと具体的な使用感については、このブログで引き続きお伝えしていけたらなと思う。しかし、きょう使ってみて思ったけど、FUJIFILMのカメラというのはやっぱりどこか人間くさい。完璧というよりは隙もあるし、クールに仕上げつつもどこか温かみがある。写真屋としての血が流れてるなあとつくづく感じるのである。
