GFXのレンズについては、GFX50SIIのレンズキットであるGF 35-70mm f4.5-5.6 WRしか持っていないんだけど、一週間ほど使いこんでみて、このレンズのことがとても気に入っている。
なんといっても軽い。GFX50SIIのボディも見た目よりは全然軽いんだけど、このレンズを装着して初めて手にした時から、その軽さと振り回しやすさにはずっと驚いている。
GFXでは初の沈胴式ズームで、ズームとしては初の絞り値を可変式にしたこと、レンズ構成をシンプルにしつつ精度を極限まで工夫して高めていったことで、価格を抑えながら高性能なレンズに磨き上げたとのこと。
最短撮影距離も35cmでかなり寄れるんで、草花なんかをマクロ的によく撮る僕にはとてもありがたい。テレ端で寄った時に描写がちょっと滲むと聞いていたけど、それも僕は特に気にならない。そんなことを忘れさせるくらいメリットのほうが大きいのだ。
いわゆる中判デジタルと呼ばれるカメラたちは、描写は格別だけどとにかく大きく重いと思われがち(僕もそういう印象だった)だけど、このGFX50SIIとレンズキットのおかげで、中判デジタルのイメージはがらりと変わった。
そうそう、決して明るくないレンズなんだけど、それでもまったく不満がないのはf4.5やf5.6始まりでも想像以上に美しくボケが楽しめること。そしてGFX50SIIの強力な手ぶれ補正6.5段という性能によるところも大きい。
暗所も心配なく撮れるし、手持ちでスローシャッターを楽しめるのにはちょっと驚異的ですらある。いずれは明るい単焦点レンズも一本欲しいけど、いまはこのズーム一本でGFXらしさを十二分に楽しめている。
少し前のブログにも書いたけど、描写もさることながら、僕はいかにも中判らしく一枚ずつシャッターが切れる感覚が好きで、こうした中判らしさ(正確にはラージフォーマット)を小さく軽く世に送り出した富士フイルムには、決して大袈裟ではなくリスペクト心を抱いている。
僕はかつてのフィルムカメラのようなコンパクトな写真機が好きで、ずっとXシリーズを愛してきたのだけど、そのフィルムカメラで撮る「らしさ」は中判デジタルの世界にもしっかり継承されていて、再び富士フイルムのことを惚れ直しているところだ。
レンズ単体で買うとやはり実売価格でも10万円超くらいになってしまうのだけど、レンズキットで購入すればボディプラス5万円ほとで手に入れられるお得な一本でもある。それでいて、間違いなく中判デジタルの「らしさ」が感じられる性能で、しかも小さく軽い。
決してオーバーな表現ではなく、ちょっと驚きのレンズである。
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