OM System OM-3 レビュー

抑えの効いたほどよい存在感のOM System OM-3。

アフィリエイト広告を利用しています
OM System OM-3

こういう言い方が良いかどうかは分からないけど、必要以上に目立たないほどよい存在感がOM-3のひとつの魅力かなと思ってる。このカメラといると、なんだか心穏やかに写真のある生活を気負いなく楽しめるのだ。

僕の場合は、日々いろんなカメラをローテーションして使っているから、OM-3がメイン機というわけではないが、それゆえにOM-3を持ち出す時はちょっと静かに深呼吸するような一服の清涼剤のようなひとときが得られている気がする。

OM-3を街撮りのスナップ機として愛用している人も多いと思うが、街中では特にその威圧感のないナチュラルな存在感がいい効果を発揮しているのではないだろうか。僕も街中に持ち出した時は、それこそクラシックなフィルムカメラをぶら下げて歩いているようで、周囲の視線もとても穏やかに感じたものだ。

OM-3に装着したOM System オリジナルシューカバー
OM System OM-3, M.Zuiko digital 25mm f1.8 II
OM System OM-3, M.Zuiko 25mm f1.8 II
OM System OM-3, M.Zuiko 25mm f1.8 II

近ごろ、レンズ一体型のようなコンパクトなカメラが人気なのも、そういう「やさしさ」みたいなものがカメラに求めるニーズとして時代的にあるんじゃないかと思う。写真を撮るのは好きだけど、それをこれ見よがしにアピールするのではなく、あくまでさりげなく日常を撮るという感じなのかな。

OM Systemがそういう「ほどよさ」みたいなものを念頭においてデザインされたとしたなら、それはなかなかのものだと思うが、どうだろうね。

デザインの細かな部分においては注文をつけたいところもあるが、結果的には全体的にいい塩梅のまとまり感に落ち着いているのは、やはりフィルム時代から脈々と続くオリンパス理念が抱いた「人とカメラの距離感」のようなものなのだろう。

OM SYSTEM OM-3 写真は公式Instagramより

なんでもそうだが、押し出しの強くないプロダクトデザインというのは、不思議と飽きもこない。つまり、OM-3も壊れなければいつまでも末長く使い続けていける一台だという匂いがする。前作のPEN-Fも同じような匂いを感じだが、防塵防滴とバッテリーの持ちの良さをアップデートしたくて、僕はOM-3に移行した。

その意味では、OM-3は完全体になった。これ以上は機能的には特に望むこともそうない。そういう意味でも、特に新型に買い替えるなどと意識せずにずっと使い続けられる、そういう肩の力を抜いた距離感で付き合えるカメラでもある。

まあ、あくまで僕が考えるOM-3像ではあるが、人間と同じで「俺が、俺が、」というのとは違う、いい意味で抑えの効いた写真機をおだやかに愛用し続けたいという人には、絶妙な距離感の一台じゃないかと思う。




関連記事