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考えてみると、僕はセンサーサイズでカメラを選んだことはない。正確にいえば、カメラを始めて間もない頃、フルサイズに憧れてデジタル一眼レフ機をAPS-C機からアップデートしたことはあるけど、記憶してる限りではセンサーサイズを基準にしたのはその時だけだ。
要はセンサーサイズじゃなくて、限りなく見た目の好みで選んでいるということ。見た目は、存在感とか佇まいといったほうが近いだろうか。手に持った時の収まり具合みたいなものも含む、しっくりくるかどうかの基準だ。
最近手に入れたLumix LX100 IIもそう。まずは、その艶かしいブラックペイントの艶と、いかにもカメラらしいシャッタースピードダイヤルが配されたコンパクトなフォルムにやられたわけで、マイクロフォーサーズだったことは結果論でしかない。
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マイクロフォーサーズということでいえば、PEN-Fを選んだ時もそうだった。マイクロフォーサーズが欲しかったんじゃなくてPEN-Fが欲しかった。
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あのフィルムカメラのような薄さとコンパクトさを求めたら、結果的にマイクロフォーサーズになったわけで、それでいうとマイクロフォーサーズという規格は、FUJIFILMがフィルムカメラのあの手の中のフィーリングにこだわってAPS-Cをチョイスしたことに近い思想かもしれない。
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まあ、僕のような単なるアマチュアの写真愛好家の見立てだから、実際のところはもっと奥深い思想があるんだろうけど、カメラを趣味で使う日常の視点で言えば、見た目や存在感はある意味、機能や性能よりも重要なファクターだったりする。
撮り手をソノ気にさせてくれる要素は、少なくとも僕にはセンサーサイズとかじゃないし、細かな機能でもない。ただただ、そのカメラとなら無心になってシャッターが切れるかどうか、それが最もカメラに求める最高性能だ。
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まあ、これはあくまで僕の好みの問題であって、カメラを機能性とかでしっかり選んでいる人には怒られそうだが、機能性を否定するものではなくて、それは大切だけど一番じゃないということ、それだけだ。
今となってはカメラは実用品ではなくて嗜好品だから、そのプロダクトを手元に置いておきたいかどうかは、とても重要な要素だ。なかでもデザインは何より大切な「所有する理由」になるだろう。
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そう考えると、カメラにはまだまだ可能性がある。スマホカメラで撮ることとは違うプロセスの満足感とか高揚感、そしてそれを創造してくれる道具としてのフィット感。
個人的に思うのは、最近発売されているカメラたちには、そうした艶を感じるものが少ない。だからか、僕が惹かれるカメラたちも少し古い時代のものが多かったりする。幸い、機能でカメラを選んでいないんで、それでも通用するだけかもしれないが。
この先、カメラはどこへ向かうのか。エモーションだけは忘れて欲しくないと思う。