以前も少し書いたことがあるけど、僕はSONYのカメラを一度も所有したことがない。別に毛嫌いしているわけではないんだけど、例えばフィルムニコンを使ってきたからデジカメはNikon Dfにとか、オリンパスOM-1を使ってたからDigital PEN-Fにとかみたいに、フィルムミノルタを使ってたからデジタルはSONY αに、とはならないのである。そこだけはちょっと別物なんだよね、僕の中では。
そういうこととは別に、ニュートラルにSONY αシリーズを検討したことはある。でもその時はフルサイズミラーレス機はNikon Z6を購入したから、たぶんこれからもSONY αシリーズを手にすることはほぼ無いと思う。僕のカメラの使い方だと、フルサイズミラーレス機はそんなに何台も必要としていないからね。
それでも僕がもしSONY機を検討するとするならば、αシリーズよりはフルサイズコンデジを一度使ってみたい。SONY RX1である。
コンデジといえばセンサーサイズは小型のものが大半で、大きくてもAPS-Cセンサーを積んだRICOH GRあたりが主流だけど、フルサイズセンサーのコンデジとなるとなかなかお目にはかからない。Leica Qなんかはフルサイズコンデジとうたっているけど、僕の中ではLeica Qはその堂々とした佇まいから、もはやコンデジの域を超えていると認識している。
それからすると、このRX1はレンズ部こそ少々出っ張りがあるものの、そのボディのコンパクトさは文字通り「フルサイズコンデジ」の名の通り、コンパクトでスナップシューターの香りがプンプンするのである。
カメラ屋さんで何度か眺めたことがあるけど、フルサイズセンサーを積んでるとはとても思えない実にコンパクトボディで、「これならGRなんかと同じ感覚でストリートへ気軽に持ち出せるかも」と感じるのである。いや、コンデジクラスのコンパクトな街撮りカメラを僕は何台も持っているので、いますぐRX1が欲しいとは思わないんだけど、チャンスがあれば一度使ってみてもいいなと素直に思うのである。
画素数は4000万画素超えだっけ。凄いよね、あのボディのコンパクトさでフルサイズミラーレス上級機並みの画素数を誇るというのは、車に例えればMINIサイズの車体に大型排気量のエンジンを積んでるような感覚で、実にヤンチャな香りがしてなかなか興味深いのだ。
お値段のほうもなかなか堂々としていて、新品なら本格的なフルサイズミラーレス機が買えるようなハイクラスの価格で、それもまたコンデジと呼ぶにはいい意味で違和感のある独特のカメラのポジションを確立していると思えるのである。
現行モデルは新品だと30万超えかな。さすがに「ちょっと試したい」というレベルでポンと支出できる金額ではないので、買わずに(買えずに)済んでるわけだけど、少し以前のモデルを中古で買うとするなら、多少は現実味を帯びてくる。どうかしたら買えなくも無い存在になってくるのである。
フォトヨドバシの作例なんか見てると、やはりフルサイズの余裕なのか、とても濃厚な写りに思わず目を奪われる。やはり、見かけによらない写りの良さのギャップに、なかなかソソられるものを感じるのである。
いや、だからといってすぐに買えるような価格じゃないところが、このカメラの真骨頂だと思うんだけど、とにかくそのヤンチャさが魅力だったりするのだ。さすがにこの価格帯になると、もはやコンデジというよりもっと本格的なカメラが買えるゾーンに位置するわけで、それでも敢えてこのコンデジをチョイスするところに、何かとてもたまらないロマンを感じるのである。
いや、こんなに長々と書くつもりじゃなかったんだけど、とにもかくにも、僕にとって魅力的と思えるSONY機は、αじゃなくてRX1なのである。現行モデルじゃなくても全然いいから、その独特のスペックを一度は試してみたいと思うけど、実際に使われてるユーザーの人たちは、どんな使い方で、どんな感想を持ったりしているのだろう。ちょっと調べてみよう。調べる分にはタダだからね。
まあ手にするわけじゃないんだけど、こうして調べたりするのもまた、カメラの楽しみなのである。尽きないよねえ、試してみたいと思うカメラへの興味、好奇心は。