実は今朝もこのNikon Dfと50/1.8Gの組合せで散歩カメラしてきたんだけどね。なんとなくレトロに見えるかもしれないけど、ボディもレンズも実は現行カタログ品。登場したのはもう数年前になるけど、その使い勝手は当たり前に現代モデルとしてなんの過不足もなく使えるんだ。
Nikon Dfの分かりやすい価値は、そのクラシカルなルックスや軍艦部のダイヤル類をカチカチやってマニュアルチックに撮影を楽しめることだけど、例えば僕のように片手で愛犬のリードを持ってたりすると、カメラの撮影は実はオートフォーカスで絞り優先モードやプログラムモードで撮影するほうが楽で軽快だったりする。そんな時に現行製品なら、やはり性能的にもかなり頼もしいんだよね。
スナップカメラと聞けば、すぐ思い浮かぶのは街撮りスナップで、それでいえばもっも小型で軽量なカメラが他にもたくさんあるわけだけど、このステイホーム週間のようにぬかなか街中というわけにいかず、例えば家の近所の散歩カメラということであれば、Dfの軽量コンパクトさは十分許容範囲。それでいて、ニコンのフラッグシップ機だったNikon D4の余裕あるフルサイズセンサーで撮れて、かつ現行AF単焦点レンズで美しいボケを楽しめるのはなかなかオツなもんです。
そうそう、このボディとレンズの組合せはは、フルサイズのなかでもその軽さとコンパクトさは秀でてるものもあって、実はDfはNikonフルサイズ一眼レフ機の中では最軽量モデル。レンズも軽量なGレンズを組合せれば、ミラーレスのZ6なんかとそう変わらない取り回しの良さを感じられる。それでいて、あのレフ機ならではの小気味いいシャッターフィールが楽しめるのは、なかなかたまらないものがあるんだ。
そんな高次元のバランスの良さがあってか、最近Dfを手にする人が増えてきている気がするんだよね。なんか急かされるように速写するばかりのスナップじゃなくて、一枚一枚ていねいに時間をかけてスナップを楽しむ感覚の復権とでもいえばいいのかな。このDfはオールドレンズである往年のFマウントレンズたちがほぼ使えることもあって、フィルムニコンで撮ってる人たちが再びDfを注目しはじめてることもあると思う。
僕はDfのことを意識しはじめたのはDfの登場からたしか2年ほど経過していた時期で、世の中がD850登場で沸いていて、みんながD850を手にする中、僕はといえばD850には目もくれず、このDfのブラックボディの新品を馴染みのお店で取り寄せ注文したんだよね。以来、ずっと僕の日々の散歩スナップにはなくてはならないカメラになった。たぶんZ6よりDfのほうが出動機会も多いと思う。スペック云々というより、ただただ肌が合うんだろうね。
Nikon Dfは奇跡のようなカメラでもあってね。一般的な形状のデジタル一眼レフと比べると、そこまで大量に出回るような製品でもないかもしれない。つまり世の中のマーケットからいえばマイナーなカメラかもしれないけど、ニコン社はそれを開発会議の与太話に終わらせずに、実際に製品化して世の中に売り出した。Nikon Fからの歴史を知る後藤哲郎フェローがいたからこその奇跡なんだろうけど、そういう熱量が凝縮された迫力がこのカメラにはあるんだよね。
もう後継機がとっくに出てもおかしくない古めの現行モデルになっちゃったけど、なかなか値段が落ちないのもDfの特徴だと思う。それはやっぱり希少性というかプレミア的価値なんだろうね。年代的にいえば中古ボディも量は多くないけど出回ってると思うんで、それを手に入れるのも賢い手だと思う。
Dfの、あのゆっくりとしたリズムじゃないと撮れない絵はきっとあると思うし、ふと撮り終えてベンチに座って眺めるDfのボディの厳かなルックスは、眺めても楽しいカメラのまさに代表格。フィルムの二眼レフ機なんかも同じような所有感を楽しめるけど、それを現行モデルの現代の写りと共に味わえるというのはなかなか格別ではないだろうか。僕はじぶんの所有するカメラを褒めすぎるところがあるけど、このDfはほんとうに胸を張って誇れる一台だと思う。