
カメラもいまやハイテクな電子機器だから、新製品が出るたびにどんどんスペック数値は上がっていく。でも、かたや撮り手の僕のほうはそんなにスペックは上がっていくわけではない笑
そもそも僕の写真撮影の楽しみ方は、完全にフィルムカメラの延長線上で、撮像素子がフィルムからセンサーに変わったくらいで、撮り方そのものは以前からなんにも変わらない。動きものを撮るわけでもなく、暗所でバシャバシャ撮るわけでもないから、カメラは極々シンプルなもので構わないのだ。
新製品が出るたびにそのトピックスにワクワクはするものの、冷静に考えると僕の撮り方に対してはオーバースペックな製品ばかりで、ふと我に帰り「いやいや、いま使ってるカメラで十分じゃん」と思い至る。それの連続なのだ笑

スペックが上がると、いまのミラーレスカメラは同時に大きさや重さも上がっていくから、そこも引っかかる部分でもある。使わなくてもスペックがハイレベルなものは、例えば車に例えると、公道で300km/hは出さなくてもポルシェに乗る余裕みたいなものの良さはある。けれど、カメラはファットだとほら、首や腰にくるから笑
それそこカーレースとか野鳥を撮るような人だと、カメラだけでなくレンズも含めてハイスペックなものへと撮影技術の向上に合わせて上がっていくのだろうけど、僕の場合はそういう撮影志向でもないので困ったもんである。
富士フイルムのカメラが性に合うのは、そういうところもあってね。これは僕の単なる思い込みかもしれないけど、FUJIFILMのカメラは日常的なスナップというシンプルな撮影スタイルに割と重きを置いてくれてるというか。趣味のカメラを舐めていない感じといえばいいだろうか。

それは単にスペックを落とすということじゃなくて、そのシンプルな撮影スタイルのなかにこだわりとか遊び心を見出そうとしている気がするのである。だから、自然と僕のまわりにはFUJIFILMのカメラが集まる。
趣味とは案外、単なる娯楽とか余暇の時間つぶしとかじゃなくて、人生の肥やしだったりするからね。そういうところに目を向けているカメラと、それを世に送り出そうとしているカメラブランドに共感しているじぶんがいるのかもしれない。