本と音楽と余暇

カメラを始めた頃を思い出す、カメラ関連の本について。

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Nikon F

僕はけっこう歳をとってからカメラと出会った人間なので、いまでも気持ちはカメラビギナーのままというか、遅れて始めた分、本を読んで歴史とか知識みたいなものを吸収してきた。なので、きょうはビギナーの人にもぜひ読んでもらいたいいくつかの本を紹介しておきたいと思う。

僕の最初のカメラはNikonのデジタル一眼レフなんだけど、いまのようにクラシックなスタイルのカメラを好むようになったのは、やはりフィルムカメラと出会ったことが大きい。その頃、いちばん影響を受けたのは、柊サナカさんの「谷中レトロカメラ店の謎日和」という小説だった。

カメラ関連の書籍を探してみると分かると思うけど、カメラの解説本みたいなものは割とたくさんあるんだけど、カメラを題材にした小説というのは意外と少ない。そうしたなかで、この小説はさまざまなフィルムカメラが短編でいくつも登場し、カメラと写真、人間模様がちょっと謎めいたかたちで物語として進行していく。気がつくと、自然とカメラのある日常に没入しているという名作だ。

最近カメラを始めた人、またフィルムカメラのお店が街中に普通にあった頃の時代を懐かしく思う人なんかには、ぜひ読んでもらえたらと思う。

柊サナカさん「谷中レトロカメラの謎日和」

 

たしか「谷中レトロカメラ店の謎日和」を読んでNikon F2 アイレベルを購入したと思うんだけど、その次に僕をライカの道へと引き込んでいったのが、田中長徳さんの「ライカ ワークショップ」というコラム本だ。これももう何度読み直したか分からないほど再読しまくった一冊。僕のライカ人生はM3と、このライカワークショップとで構成されている。

主にフィルムライカのことが長徳さん節で痛快に語られていて、ちょっとライカのうんちくを身につけたい人にはもってこいの本である。少し前の本なんでデジタルライカのことは最後のほうにM8のことだけ少し触れられている。いま、僕がくしくもM8を使っているのは、この長徳さんの本の刷り込み効果じゃないかと思っている。

田中長徳さん「ライカ ワークショップ」

 

その後、フィルムカメラとその頃の古いレンズなんかにハマっていくわけだけど、どのカメラがどんな風に良いのか?、他のカメラと違いは何なのか?、そのカメラは買いなのか?、といったフィルムカメラを購入する際のガイド本になったのが、おなじみ赤城耕一さんの「中古カメラはこう買いなさい」という本である。

もうその名の通り、フィルムカメラのことが分からなかったら、この赤城耕一さんが言う通りにカメラ選びをすれば間違いない笑。僕が曲がりなりにもフィルムカメラ選びに大きく失敗することなくここまで来れたのは、カメラ屋さんの言葉とこの赤城耕一さんの本のアドバイスによるところが大きい。

赤城耕一さん「中古カメラはこう買いなさい」

 

この3冊を読み終えた頃には、あなたも立派なクラシックカメラマニアになってると思う笑。それも、この3冊はどれも知らない間に知識が身につくという一粒で二度美味しいみたいな本なのである。もちろん、これ以外にも実にたくさんの本を読んできたが、「小難しくなく楽しく読める」という意味ではおすすめ3冊である。

で、カメラのことがある程度分かってくると、次にそそられるのはやっぱり写真本体である。写真家の写真集をあげたらキリがないけど、一冊をあげるとしたらやはり「ソール・ライターのすべて」がいいのではないだろうか。それほど高価じゃなく、それでいて実にたくさんのソール・ライターの写真に触れることができる。サイズが大きすぎないのもいい。

ソール・ライター「ソール・ライターのすべて」

 

そして、最後の一冊は我らが森山大道さんの「Tokyo」である。ここまでずっとフィルムカメラを題材にした本を紹介してきたけど、この写真集「Tokyo」は森山大道さんがフィルムカメラからデジタルカメラに持ち替えて初めて出版されたもの。しかも東京のあちこちを地名別にスナップシュートされている。

世の中にはいろんな東京ガイド本があると思うけど、この森山大道さんの写真集を片手に東京を撮り歩くというのもかなりユニークでおもしろいんじゃないだろうか。この写真集もそれほど高価じゃないので、森山大道さん入門の一冊としてもおすすめだ。

森山大道さん「Tokyo」

 

おっと、旬な大事な本を忘れるところだった。そう、今朝もTwitterなんかで話題になっていた、しろさんのカメラ漫画「カメラ、はじめてもいいですか?」である。なんと7月にはBSで実写ドラマ化されるとのこと。

もう、我が子のことのようにうれしいのは僕だけじゃないと思う。そう、カメラ好きな人たちは、誰に頼まれたわけでもないけど「カメラ人類の人口増加」にとても一所懸命だ。それこそカメラビギナーの人も、カメラ玄人さんな人も、この漫画を読んで萌えてみてほしい笑。

しろさん「カメラ、はじめてもいいですか?」

 

というわけで、きょうは数ある写真関連本のなかでもいちばんスタンダードだと思えるおすすめの6冊をピックアップしてみた。それ以外の本についても興味がある人は、以下の過去記事にも目を通してもらえたらと思う。

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写真やカメラは、その豆知識みたいなことが分かるといっそう楽しめるところがある。時にはスナップに出かけるのをひと休みして、本など眺めてみるのはどうだろう。梅雨時にもうってつけの過ごし方かもしれない。

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