写真とは

こんどのBRUTUS「写真はもっと楽しい。」特集号、もう見ましたか。その動画も。

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写真はBRUTUS 電子版表紙より

数日前にSNSでこの本が出ることを知って、早速買ってみた。BRUTUSの最新号「写真はもっと楽しい。」という特集号である。

10/16に発売されたのだけど、SNSを見ていてもかなりの人たちが反応していて、すでに手にとってみた人も多いのではと思う。

僕はこの本を買う前に公式サイトで見かけたこの一文がとても好きだった。

誰でも、どこでも、いつでも写真が撮れて発信できる今、「いいね!」の数を増やして評価される喜びも知っている。ただ、きっとそれだけではなくて、被写体との向き合い方やシャッターを切る瞬間について考えたり、鑑賞方法を工夫したり。写真の楽しみ方は、撮る人や観る人の数だけあるはずだ。17人の写真にまつわるプロフェッショナルたちの言葉や作品から、ブルータスは改めて写真の醍醐味について考えてみたい。

仲野太賀さん、高橋ヨーコさん、RKさん、柏田テツヲさん、伊藤徹也さん、西本喜美子さん、上田義彦さん、作原文子さん、小浪次郎さん、長谷川昭雄さん、平野太呂さん、Jack Davisonさん、遠藤文香さん、篠山紀信さん、幡野広志さん、永積崇さん…実に幅広い人たちがさまざまな視点で写真と文章を寄せている。

BRUTUS自体は写真専門雑誌ではないから、写真を職業にしている人やハイアマチュア写真愛好家の人から見たら、やれ内容が薄いんじゃないかというような声もSNSでちらと見かけたけど、僕は写真に興味がない人が愛読しているライフスタイル雑誌で「写真」のことが取り上げられることに大きな意味があると思っている。(もちろんいろんな意見があっていいと思う)

このBRUTUSは、写真にすでに興味が高くて日々撮影を楽しんでいる人も購入すると思うけど、ふだんはあまり写真のことを意識していなかった人が偶然にもこの本を見かけて、「そういえばインスタにあげる写真なんかも、どうせならカメラでちょっと撮ってみるか」とふと感じとることのほうが、僕はこの本の使命としては大切だと思ってる。

とはいえ、BRUTUSの編集に関わっている人たちも、日常的にクリエイティブな写真に関わるプロフェッショナルだ。この号が写真に関心が無かった人の「取っ手」になるようなライトな見せ方を取り入れつつも、根っからの写真愛好家へ「写真ってやっぱりいいですよね」というメッセージとも思えるムービーを残している。

写真家の菅原一剛さんがフィルムを現像している様子をベースにしたインタビュームービーだ。約12分ほどあるんだけど、見ていると一緒に暗室の中にいるような厳かな気分になる。このムービーは特に本の宣伝には表立って使われていないと思うのだけど、それでもこうしたムービーを残すのがBRUTUSの写真へのリスペクトであり、写真愛好家へのBRUTUS流の挨拶のような気がする。

菅原一剛さんは、僕が勝手に大尊敬している写真家さんの一人だ。その昔、ほぼ日の写真特集コラム「写真がもっと好きになる」で菅原さんのコラムを読んで、初めてのライカであるM3を手に入れたし、その後発売された同名タイトルの本は、フィルム写真を楽しむうえでバイブルとなった宝物だ。

Leica M3, Elmar M 50/3.5

それだけに、この菅原一剛さんが登場するムービーは、個人的にもとても尊く、これを撮ろうと考えたBRUTUSの熱量を静かに感じとるのだ。

ぜひ、年に一度はこうした「写真特集」のようなものをBRUTUSには続けてほしいと思っている。一人でも多くの人が、カメラで写真を撮るおもしろさを知るきっかけとなるように。僕も今号を何度も読み返してじっくり楽しんでみたいと思う。

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