昨夜、ムービーの監督・柘植泰人さんのツイートで宇多田ヒカル「真夏の通り雨」がMTV VMAJ 2016の〈最優秀邦楽女性アーティストビデオ賞/Best Female Video -Japan-〉を受賞したと知り、久しぶりに柘植監督が撮った「真夏の通り雨」のMVを深夜まで眺めていた。何度見ても心がえぐられるような優しいけど激しく強い映像に心持ってかれる。
そして、宇多田ヒカルさんが先日発表されたアルバム「Fantôme」をiTunesで購入した。これまでのアルバムに比べると聴き始めは少し大人しめの印象を感じるけど、何度も聴き続けてると彼女がこのアルバムに込めた静かなる迫力のようなものを感じ始める。なんというかジワジワとくるのである、このアルバムは。iTunes上の評価コメントなんかを読んでると、みんながこの宇多田ヒカルというシンガーをいかに本格派のアーティストとして見ているのかがわかる。僕もそう思う。J-POPとかそんな陳腐なジャンル分けでは表現できない地球的アーティストだと思う。
それと、彼女の歌を聴いていると日本語の歌っていいな、という日本人としてのアイデンティティみたいなものも目を覚ます気がする。そして再び柘植監督のMVの映像を見るとなにやらゾワッと感動が押し寄せるし、最新のMV「花束を君に」のモノクロの映像を見るとからだの中から不純物が取り除かれるような感覚になる(このムービーの監督は誰か分からない)。台風な一日、少し不安になるけどダイナミックな雲の動きを眺めながら、ふと音楽と映像にふれる一日にしてみてはどうだろう。何かが目を覚ますと思うよ、きっと。