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そして、平日の僕はPEN-Fと街を浮遊する。
この写真は僕が気に入ってTwitterの背景画像にもしているものだ。PEN-Fは、こういう何気ない街の光景を僕に撮ろうと思わせてくれる。もちろん、スナップするのにカメラはなんだっていいわけだけど、僕が街撮りするのにいろんなカメラを試してきたなかで、特別にPEN-Fが気持ちいいカメラであるのは間違いない。
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まず、なんといっても「持ち出しやすい」という利点がある。それも、コンデジという概念ではなくて、本格的カメラをサッと持ち出すという概念だ。いや、僕も当初はそんな概念を持ち合わせていなかった。手軽に持ち出すということでいえば、デジタルでいえば僕の相棒はRICOH GRであり、Leica X2であった。つまりファインダーを持たないコンデジたちだ。
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ファインダーを持たないカメラの利点は、なんといってもコンパクトな携帯性だ。スナップする人は分かると思うけど、スナップシューターとはわずかでも小さいほうがいい。それによって確実に持ち歩く頻度は上がるし、わずかな重さや大きさがカメラを取り出す気分を躊躇させる。その意味では現代の高性能なコンデジは途轍もなく心強い。
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けれど、できればファインダーがあったほうがいい。たとえ実際はノーファインダーで撮ろうとも、ファインダーがあるというのは、いざファインダーをのぞこうと思った瞬間にとんでもなく美しい世界をのぞかせてくれるんだ。それを僕はライカと夜スナップで実感してきた。特に夜の街を撮る時、M3やM-Pのファインダーの中の世界はなんともいえない宝石のような美しさに包まれる。あの感覚が僕のスナップを少し変えたのかもしれない。
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とはいえ、ご存知の通りLeica M-Pはマニュアルだ。マニュアルを目測で撮る楽しみもまた趣のある所作だけど、とにかくサッと取り出して速写という観点からすれば、コンデジのように薄く、軽く、コンパクトなボディに、ボディ内手ぶれ補正でオートフォーカスというPEN-Fは、ちょっと反則じゃないかというくらいツワモノなスナップシューターとなる。
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僕の場合、レンズも12mm/f2、つまり35mm換算で24mmという広角だから、どうせいろんなものが写り込むから、画角はあまり余計なことを考えずにスパンスパンとシャッターが切れる。28mmのGR、25mmのSnapshot-Skoparを装着するBessa-Lよりも広角だから、僕にとっては最も広い視野を持つレンズを合わせていることもPEN-Fを最高の街撮りスナップシューターたらしめている要因だ。
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NikonとLeicaと同じように、このOLYMPUS PEN-Fが僕の人生に決して少なくない影響を与えているカメラであることは間違いない。現代のカメラとしての優秀な性能をすべてぶち込みながら、フィルムカメラを復活させたようなそのクラシカルなフォルムは僕のカメラに求める要素をこれでもかと網羅しているといっても過言ではない。いつまでも古びない価値がPEN-Fというカメラには強く注ぎ込まれている気がしてならない。それがOLYMPUSがこのカメラに込めた思想だろうし、妥協を許さなかった開発陣たちのこたわりの結晶だろう。世は本格的なミラーレス時代へと突入した感があるけど、僕の中のミラーレスは、この最強のスナップシューター PEN-Fなのである。