この組合せのことは過去にも書いたことがある気がするが、毎度その感動は薄れないので、再び書き残しておくとしよう。FUJIFILM Xマウントの初代機X-Pro1と、ライカのレンズの原点Elmarの組合せの話である。
この写真のエルマーは、ふだんはバルナックライカIIIaに装着しているものだ。いわゆる赤エルマーなので、後期のコーティングがしっかりなされたものだと思う。それゆえか、写りはオールドレンズであることを忘れる鋭さを僕は感じる。
わりとピントもきてるかな。マニュアルフォーカスのレンズで撮る時はX-Pro1のファインダーはEVFに変更して、ピーキング表示を利用して撮る。X-Pro1は視度補正が無いから、やはりMFアシスト機能が頼りだ。
それでも、そもそもレンジファインダースタイルのカメラで撮る時は正確さみたいなものは求めていないんで、けっこうアバウトで撮る感じ。家に帰ってからSDカードリーダーで撮影データを取り込み、そこで初めて「おお、こんなのが撮れたか」とか感心してる。
エルマーの描写に驚きつつも、X-Pro1が叩き出す色や階調もあいかわらず素晴らしい。これが10年以上前のカメラとセンサーであることを一瞬忘れるし、初代X-Trans CMOSの「写真らしさ」には毎回唸るのだ。
もちろん、最新のX-T5のように便利なAF追尾機能も無いし、高画素機でもない。けれど、写真機としてフィルムカメラのように写真を一枚一枚紡いでいく撮り方であれば、何ら不満はない。というか、むしろX-Pro1とエルマーのほうが味がある。
僕が最近好んでよく使っているLeica M8もそうだけど、写真機として楽しむ分にはデジカメにおいても少しクラシックなカメラが個人的には好きだ。いたずらに写りすぎない感じとか、アナログな雰囲気を持つ暗部の粘りとか、フィルムカメラとフィルム写真から受け継がれた面影がやはりある。
考えてみると、僕の場合は現行のX-Pro3にはこうしてオールドレンズをつけようとはあまり思わない。つけるのは決まってX-Pro1のほうだ。そして、エルマーの描写もX-Pro1のほうが好みだ。古いもの同士といっても年代がずいぶん異なるのだけど、そこには間違いなく相性みたいなものが存在する。
オールドレンズを楽しむなら、ぼくは断然X-Pro1を推す。非常に感覚的な写真の話で恐縮だけど。
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