今年になって、思うところあってフィルムで撮ろうと思い、その気分転換としてLeica M3の焦点距離を変えてみようと眼鏡付きズマロンを手に入れ、ついでにライカメーターも装着した。
で、試し撮りを開始した最中に、そのライカ熱が妙にあったまってしまい、Leica M8を手に入れてしまい、なんだかんだM8の試し撮りが続いてM3のフィルム撮影が滞ってしまうという、なんとも意外な展開をみせた2023年初頭なんだけど、ようやくM3のフィルムを撮りきり現像に出すに至った。
前置きが長くなったけど、眼鏡を付けたことで35mmの画角で撮れるようになったLeica M3は、想像以上に新鮮で気持ちよかった。
ライカに詳しい人は知っての通り、Leica M3はいわば50mm専用カメラみたいなものだ。50mmより広い広角を撮ることは想定されていないブライトフレームの設計になっている。つまり、M3を選ぶことは50mmレンズとの人生を意味する。
実際、僕もその流れの通り、これまでエルマー、ズミクロン、ズマール、ズミルックス…すべて50mmの目でM3と世界を見ていた。それからすると、35mmとM3の世界は想像以上に異次元なもので、考えすら及ばなかった。
それが眼鏡を装着することで、ついに35mmの世界へ足を踏み入れたのだ。僕的にはかなり画期的な出来事なのである。
いや、M2やM4、M5、M6などを使っている人たちには、なにを今さら35mmのM型ライカのことで騒いでるんだと言われそうだけど、M3一筋の人間からするとかなり事件なのである。
そして、ズマロンがまたいい仕事をする。ライカメーターがあることで、僕にしてはメーターを見ながらいつもより絞り気味(いままでは体感露出で絞りを開け気味で撮ってたから)で撮ったのもあるのか、いい光のすくい取り方をするのだ。
あまり辺りに撮るものがなく、空ばかり試し撮りしていたのだけど、シンプルに「フィルムの空っていいな」と再認識したり。やはり、ライカのf3.5の世界は原点であり厳かな世界なのである。
フィルムをフジカラー SUPERIA X-TRA 400にしたのもよかった。僕の部屋にあるフィルム在庫はどれも期限切れを迎えたものが増えてきたけど、ズマロンの試し撮りはちゃんと期限内のフィルムを使おうということでX-TRA 400をチョイスした。さすがフジの現行フィルム、素晴らしい描写である。
まあ、素晴らしいとしか書いていないブログになってるけど笑、やっぱりフィルムはいいね。ライカで撮るフィルムは特にいい。そこにはライカ版フィルム撮影の原点がある。フィルム写真はレンズとフィルムで決まるもんだろうと言われるかもだけど、僕はやはりライカで撮ることに意味があると思っている。
Leica M3のあのニュルリとしたフィルムレバーの感触、ティッと囁くあのサイレントシャッター、まぶしいくらい美しいファインダーの中の世界を通して、なんともいえないフィルム写真ができあがると思っている。
これは、やはり2023年はフィルムで撮る年になりそうだ。破産しない程度に頻度を調整しながら撮らなければならないが、この世界はやめられそうにない。眼鏡付きズマロンとライカメーターも、そうだそうだと僕に囁く。
M型ライカの原点M3と、M型デジタルの原点M8を行き来する撮影は当分続きそうだ。そう、僕の第三次ライカ恋愛期なのだ。
★今日の注目商品をチェック!