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僕のRICOH GRはAPS-C初代のモデルなんで、もう9年ほど前に発表されたものだけど、驚くほど現在でも何の問題もなく使えている。実は最新のGRIIIを使ってもいたけど、初めて愛用し始めた初代GRのほうが性に合ってると感じ、買い直したものだ。
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最新のGRIIIと比べると手ぶれ補正が無かったり、操作スピードや解像度が劣る部分はあるけど、ランニングの際にボディ内部で手ぶれ補正機構がカタカタ言わないことや背面の操作ボタンの構成など、僕的には初代GRのほうが使い勝手が良く感じる点が多い。一年間ほど初代GRだけを使い込んでいた時期があるんで、もう体の一部みたいなところがあるからだろう。
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ただ、APS-Cの初代GRやGRIIはいまだに値がそれほど下がっていない中古品が多いので、初めてRICOH GRを手にする人はコスパ的にも最新のGRIIIやGRIIIxを買われたほうが「より幸福」かもしれない。各部が成熟の極みに達し、サイズもより小さくなってるから、最新が最良のGRであることは間違いない。
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GRに唯一の弱点があるとすれば、それは「ファインダーが無い」ということになる。つまり、背面モニターを見ながら撮影するスタイルは、ある意味スマホカメラで撮るのと同じ感覚で、それなら高性能なスマホカメラで撮ればいいんじゃないか?という風に思う人もいるかもしれないが、不思議とGRだけはファインダーが無いことが不満に感じない。
それは、GRが究極のスナップシューターである所以で、コイツで撮影する時は、そもそもそれほどじっくりファインダーをのぞいてなんかいられない、という点が大きい。
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首から下げて使うカメラじゃなくて、ハンドストラップを腕に引っ掛けて常に右手に持ったままヒュンヒュンと速写していくカメラだから、何より小型で操作性がシンプルであること、それでいて一眼レフ機や最新のフルサイズミラーレス機に劣らない精密な写りが得られることが、GRというカメラの真骨頂なのだ。
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考えてみると、それほど高性能なボディとレンズが込み込みで、最新のものが10万円ほどで手に入れられるというのは、現代のカメラ価格からすると破格と言えるかもしれない。そういう意味でも「幸せになれる」カメラなのである。
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ヘッドホンでかすかに音楽を聴きながら、ひとたびこのGRとスナップを開始すると、いつの間にか静かにテンションが上がり、少しハイになったような状態でストリートスナップが大量生産させれる。その感覚は間違いなく唯一無二の高揚感と満足感がある。
僕がGRから抜けられない所以だ。GRとは、一度手にしたら一生、一緒に生きていく「もうひとつの目」になるのである。