本と音楽と余暇

写真に取り憑かれている人たちは、健気で尊く儚く美しい。

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きょう届いたGENIC最新号「旅と写真と」

きのうは富士フイルムが静かに始動させた「写真幸福論」プロジェクトを、僕も静かに応援したいという記事を書いた。この時代に、カメラで写真を撮ることの素晴らしさを世の中に伝えていくことは、言うほど簡単ではない。だからこそ、そこに立ち向かう人たちを僕は無条件で応援したくなる。

その意味では、このGENICという写真雑誌を丁寧に作り続け、世の中に届け続けている姿もまた、とても尊く見える。何日か前にふとこの本を手に取りたくなり、予約していたものが手元に届いた。表紙を見ただけでも言葉にならない厳かさを感じ、この本の作り手の人たちの思いが強く、しなやかに感じられる。

いわゆる写真雑誌の老舗本といわれたアサヒカメラや日本カメラが休刊して、もう数年が経つだろうか。世の中の写真の多くがスマホカメラで撮られる時代になり、フィルムの高騰なんかも重なって、写真専用のカメラで写真を撮る行為のマーケットは年々厳しさを増している。

たしかに、専門的なカメラがなくてもSNSを利用する際の写真撮影も特に困らないだろうし、お金が必要なことは他に山ほどある。でも、写真を物理的アイテムとしてではなく創造的アイテムであり、情緒的な価値を見出させてくれるものだと捉えると、クリエイティブな写真が増えることは文化に影響をもたらす力があるとあらためて感じる。

カメラで写真を撮り、プリントして、贈って、心を通わせあって、そして撮り手も撮られ手もまた、エネルギーのようなものをもらって世の中に動きを作り出す。そうした善循環にとって、カメラで写真を撮る行為は途轍もなく大きなポテンシャルを秘めていると思う。

だから、世の中にはまだまだ奮闘して写真の力を伝えようとする人たちがたくさん、思い思いの方法で走り続けている。写真集で伝える人、本で伝える人、プロジェクトやイベントで伝える人、写真館や写真店で伝える人。いろんな試みで、いろんな連鎖や交錯を生み出して。

時代がどんなに変わっても、世の中は人と人とのコミュニケーションで成り立っている。写真はもっとも身近でもっとも強力なアイテムだ。そして、その写真にパワーをもたらすのが使い手であり、その道具であり、その活動だ。僕も世界の片隅からではあるけれど、ブログという方法を通じて写真の可能性のようなものを説けていけたらいいなと思う。

そうそう、僕もまた新しい影響を受けて、人生初のチェキを今朝、注文した。家族を撮る機会を増やしたり、写真をプリントして贈るという行為にもう少し可能性を見出してみたいなと思って。そんなチェキの話はまた次のブログあたりにて。

上手く言えないけど、いま、いろんな人たちがいい意味でもがいている気がする。写真の未来が、この世の未来を良くするターニングポイントが「いま」なんじゃないか?と思い始めてる気がして。機械だけが進化するんじゃなくて、写真が進化する未来へ。思い思いに、頑張ろう。

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